2015年12月11日 06:41 弁護士ドットコム
(この質問は、「Yomiuri Online」の人気企画「発言小町」に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部が再構成したものです)
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一回りも年上の元彼を「常にお金がない人だったので、ほぼ面倒を見てきました」というトピ主から、元彼に貸した15万円をどうしたら返してもらえるのか? との相談がYomiuriOnline「発言小町」の法律相談コーナーに寄せられました。
元彼とは1年ほど前に「嘘ばかり吐くので別れました。その時に貸していた約15万円を返す返すと言いながら一向に返してくれません」状況にあります。
どうして貸してしまったの? とは誰もが思うところです。これについてトピ主は「付き合う時に1年続いたら結婚しようと言われており、その言葉だけを信じて、彼が何をしても何も言いませんでした」と明かしました。
レスには「そんなにいい加減な人間からすんなり返してもらう方法があったのなら、闇金も消費者金融も苦労しません」、「その男は結婚詐欺師ですよ」、「高い勉強代と思って諦めましょう」と、トピ主も思わず凹んでしまうアトバイスも続きます。
こうした声を受けても、「あきらめるには金額が大きいです」というトピ主。しかし、相手はなかなか手強そう。「元彼は、地元で何かしたかで、逃げてきたそうです。住民票もそのまま、現在は働いているところの事務所で寝泊まりしているので、住所不定です」
今後、返済してもらうに、どんな方法があるのでしょうか。伊田真広弁護士に聞きました。
(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「払ってくれない元彼」はこちら http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/1109/738857.htm?g=15)
A. 「内容証明郵便を送る」「少額訴訟」という方法
知人に貸したお金を返してもうらための方法としては、「内容証明郵便」、「少額訴訟」、「通常訴訟」といった方法が考えられます。
1つ目は、弁護士に依頼して「内容証明郵便」を元彼に送り、貸しているお金を返すように請求するという方法です。
ただし、弁護士費用として少なくとも3~5万円程度の費用がかかりますし、相手方に無視される可能性もあります。内容証明郵便を送ったからといって、お金を返すよう強制できるわけではないからです。
2つ目が「少額訴訟」です。コストを抑えたいなら、弁護士に依頼するのではなく、60万円以下の金銭の支払を求める場合に利用できる、「少額訴訟」という裁判手続きを利用することも考えられます。
「少額訴訟」は、弁護士に依頼をしなくても利用しやすい手続きです。裁判所のホームページにも書式がありますし、各地の簡易裁判所には少額訴訟の書式が備え付けられています。
ただし、本件の場合「住所不定」という部分が気になります。
トピ主が言うように、「現在は働いているところの事務所で寝泊まりしている」ということであれば、その事務所を住所として少額訴訟を提起できます。しかし、事務所の住所もわからず、完全に住所不定であれば、少額訴訟は利用できません。
その場合は、通常訴訟の手続きを利用することになります。
しかし、こちらが相手方の財産を把握しておらず、相手方に定職もないような場合、裁判をして判決を得ても回収ができない場合があります。元彼の「常にお金がない人」、「地元で何かしたかで、逃げてきた」といった情報からすると、残念ながら、元彼から実際にお金を返してもらうのは容易ではなさそうです。
【取材協力弁護士】
伊田 真広(いだ・まさひろ)弁護士
鹿児島県出身。大阪弁護士会所属。賃貸借関係のトラブルを中心に、企業法務、労働、離婚、交通事故等、一般民事を幅広く取り扱っている。また、大阪弁護士会の広報委員として、プロレスラーや女優の方等、幅広くインタビュー活動を担当している。
事務所名:アスカ法律事務所
事務所URL:http://www.aska-law.com/