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東京都現代美術館で「オノ・ヨーコ」展

2015年12月11日 00:02  オズモール

オズモール

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ビートルズのジョン・レノン夫人としても知られる、アーティストのオノ・ヨーコ。おもにアメリカで活躍してきた彼女だけれど、その起点である出身地「東京」での活動を振り返る展覧会が開催中。みずみずしい感性にあふれた若い時代の作品から、当時の空気を感じ取れるかも。

江東区の東京都現代美術館では、2015年11月8日(日)から2016年2月14日(日)まで企画展「オノ・ヨーコ│私の窓から」を開催。この展覧会では、オノ・ヨーコが作家活動を始めるまでの創作や関連資料などを見ることができる。

「今回は、1950~70年代の東京での活動や、近年の作品なども展示して、60年にわたる独創的な活動をご紹介します。コンセプチュアル・アート(前衛芸術)の先駆者としての軌跡に、ぜひ注目していただきたいと思います」と、広報担当者さん。

1933年に東京で生まれたオノ・ヨーコは、子ども時代をニューヨークやサンフランシスコなどで過ごし、第二次世界大戦が始まる前に日本に帰国。ユニークな教育で知られる自由学園で音楽教育を受け、戦後に学習院大学哲学科で学んだ後、ニューヨークで詩と音楽を学んだとか。ジョン・レノンとの関係を考える上で、その経歴はなかなか興味深いものと言えそう。



特に注目の展示は、代表作のひとつある書籍『グレープフルーツ』(1964年刊行)にまつわるもの。ハガキに記録された膨大な数のタイプ原稿や、指示絵画と呼ばれる作品など、日本初公開のものも紹介する。

「指示絵画というのは、頭の中で絵を組み立てるための指示を書いたもので、見る人のイマジネーションを刺激する言葉が描かれた絵です。音楽で言えば楽譜のようなものですね」(同)
コンセプチュアル・アートの歴史でも重要視されているこの本について、この機会に学んで。

また、1969年に日比谷野外音楽堂で開催したジョン・レノンとのキャンペーン企画「WAR IS OVER!」など、社会の問題に向き合った活動や、近年取り組んでいる「暴力」を主題とした美術作品なども紹介するとか。

現代美術や前衛美術の枠を超えて、グローバルにメッセージを発信し続けるオノ・ヨーコ。初期の活動から近年の作品までを集めた展覧会で、その独特の世界観を体感して。

画像上:オノ・ヨーコ《FROM MY WINDOW: Salem 1692》2002年、顔料/カンヴァス、個人蔵 (C)YOKO ONO 2015
画像下:オノ・ヨーコ《クラウド・ピース》1963年/2005年《北海道のためのスカイTV》十勝千年の森の恒久展示の一部 (C)YOKO ONO 2015
クラウド・ピースのインストラクション「雲が滴り落ちることを想像する。その雲を入れる穴を自分の家の庭に掘る。」1963年春