12月6日、筑波サーキットで開催されたイベント『スピード×サウンド トロフィー』で、小林可夢偉が駆るスーパーフォーミュラSF14が44秒008という驚異的なタイムをマークし、筑波サーキット・コース2000のレコードタイムを記録した。
この『スピード×サウンド トロフィー』はオートスポーツやレーシングオン等々、モータースポーツ/クルマ関連雑誌が合同で開催しているイベント。その中で、オートスポーツ誌の企画として行われたのが『可夢偉×SF14フルアタック』だ。
イベントでは本番のレースさながらに、3回のセッションが用意された。朝に慣熟走行が行われ、お昼にセッティング走行が、そして通常のレースでの予選に近い15時10分からのアタックで、筑波のレコードをマークしようというものだ。
都心からも近く、走行会等で走ったこともある方も多いかもしれないが、この筑波サーキットは1分を切れば相当速いレベル。最速のチューニングカーで51秒、スーパーGT300クラスで使用されるGT3マシンでも52~53秒ほどというタイム。コースレコードとしては、過去に脇阪寿一が2001年、雑誌企画でフォーミュラ・ニッポン用レイナード99Lを駆り記録した46秒935という記録があった。
しかし可夢偉駆るSF14・トヨタは、朝の慣熟走行のコースイン2周目であっさりと寿一のタイムをブレイク。その後も一気にタイムを縮めていくと、朝のセッションで44秒540というタイムを記録し、サーキットに詰めかけたファンを驚かせた。
その後、タイム更新に向けて可夢偉とチームルマンの山田健二エンジニアはセッティングを進めていくが、イベント内での他の走行でコース上にオイルが出たり、他車両のラバーが乗ったりと、コースコンディションは悪化していくことに。ただそんな中でもタイム更新を狙うべく、15時のアタックでは、今季限りでスーパーフォーミュラ参戦休止を発表したブリヂストンの「最後の2セット」というニュータイヤが投入された。
可夢偉とSF14・トヨタはオーバーテイクボタンを駆使しながら、固唾を呑みながらファンが見守る夕暮れ時の筑波を果敢にアタック! 最終的に43秒台に入れることはできなかったが、44秒008というレコードタイムをマークしアタックを終えた。
「43秒台までもう少しでしたけどね! 朝の状態だったらいけたかもしれないですけど、コンディションがあまり良くなかったので。その中でタイムは上げることはできましたけど……」と可夢偉。
「ここまで来たら43秒台に入れたかったですけど、次は来年ですかね(笑)! レースで予選を走る時のつもりで、タイヤの温め方もしっかりやりました。このコースでコンマ1秒を稼ぐのは本当に大変でしたけど、こういうタイムアタックをやるのに筑波サーキットは本当に楽しいコースですね」