映画『日本で一番悪い奴ら』が、6月25日から全国公開される。
同作は、覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で2002年に逮捕された北海道警察の元警部・稲葉圭昭の著書『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』を映画化した作品。警察と函館税関が覚せい剤の密輸を手引きしていたことや、「やらせ捜査」「銃刀法違反偽証」など北海道警察による数々の違法捜査が明るみに出た「稲葉事件」をモチーフに、稲葉をモデルにした警部が逮捕されるまでの26年間を描く。
正義であると信じ込んで悪に染まっていく主人公を演じるのは綾野剛。「何を犠牲にしても出演するべき作品」とオファーから3日で出演を決めたという綾野は、撮影中に役作りのために体重を10キロ増減させたほか、柔道の練習にも取り組んだとのこと。また同作には、綾野演じる警部と「S」と呼ばれる捜査協力者とのバディムービーの要素も盛り込まれる。
メガホンを取ったのは、『凶悪』『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』などの白石和彌。プロデューサー陣には『凶悪』のスタッフが参加している。撮影は今年6月から7月にかけて行なわれ、作品は来年2月に完成予定だ。
■綾野剛のコメント
始まってしまう。情報解禁というだけで、武者震いします。
実話を元にした白石和彌監督作品『日本で一番悪い奴ら』通称〈日悪(ニチワル)〉が、少しずつ皆様に近づいている。まるで獲物に狙いを定め、ギリギリの極致まで爪を見せない何物のように。何かのプレイのように。
白石和彌監督との出会い、撮影現場、過ごした時間は、私の役者人生に無二の影響を与えて頂きました。
この作品は、私が来年出演する映画でも、もっとも衝撃で愚かで愛おしい、何物にも変えがたい問答無用の最狂最愛物語です。皆様、どうか、一人の男の人生を目撃ください。
■白石和彌監督のコメント
綾野剛という稀代の映画俳優と共に粉骨砕身して取り組みました。一人の人間の半生を描くことが、これほどまでに困難で苦しく、そして極上の輝きを持つものかと驚嘆しています。それもこれも全ては綾野剛!
苦く哀しく、どうしようもなく楽しい極上のエンターテインメントになっています。楽しみにお待ち下さい。