世界ラリー選手権(WRC)に参戦するMスポーツは2016年シーズンのドライバーラインアップを発表。シトロエンから2年ぶりにMスポーツへ復帰するマッズ・オストベルグに加え、今季はトヨタ・ヤリスWRCのテストドライバーを務めたエリック・カミリを起用する。
今季はエルフィン・エバンスとオット・タナクという若手ドライバーで挑んだMスポーツだが、メカニカルトラブルやアクシデントにより苦戦。マニファクチャラー・ランキングで4位に終わっていた。
2シーズンぶりにMスポーツへ復帰するオストベルグは今季、シトロエンからWRCへ参戦。第3戦メキシコと第4戦アルゼンチンで表彰台を獲得する活躍をみせたが、来季シトロエンがWRCでの活動を休止することもあり、チームを離脱。移籍先が注目されていた。
「Mスポーツに復帰することができてとても嬉しいし、来シーズンが今から楽しみだ」とオストベルグ。
「フォード・フィエスタRS WRCはキャリアのなかで大きな位置を占めている。過去に数多くの成功を収めた場所に再び戻ることができて、嬉しいよ」
オストベルグは今季投入された新型フィエスタRSの挙動をみて、今週末のテストが待ち遠しく感じられるとコメントしている。
「グリップの低い路面が僕の好みだけど、挙動から判断する限り新型フィエスタはグラベルでも高い競争力を発揮しそうだね。僕たちの最初の目標は速さをみせて、いい結果を残すことになる」
「(Mスポーツ在籍時、2年連続で表彰台を獲得した)スウェーデンは僕のキャリアにとってハイライトだし、今でも目標にしているリザルトだよ。だけど、今後はもっと多くのイベントで競争力を発揮できそうだ」
「この2年間で僕のドライビングスタイルは大きく変化した。フィエスタをドライブして、今のスタイルを維持するか、昔の形に戻すべきか確かめたい」
Mスポーツのマネージングディレクターであるマルコム・ウィルソンは「マッズは表彰台争いができ、コンスタントに速さをみせるドライバーであることは明らかだ」とコメントしている。
「マッズの実力は把握しているから、来シーズンはMスポーツとフォードをポディウムの中央に引き上げてくれると信じている」
「多くのラリーで、マッズは優勝争いを演じるだろう。また、それが我々の目標でもある」
マッズのチームメイトとなるカミリは、今季トヨタ・ヤリスWRCのテストドライバーを務めていた。しかし、WRCでの経験は豊富ではなく、経験のほとんどはプライベーターとして出場したWRC2のもの。しかし、ウィルソンは「新人にここまで強い期待を抱くのは久しぶりだ」と語っている
「エリック(・カミリ)のWRCでの経験は少ない。しかし、彼にはワールドチャンピオンになる素質があると確信している」
「新しいマシンとイベントへの適応力が非常に優れている。Mスポーツでもすぐに順応するだろうね」
「このドライバーラインアップは強力だと思っている。来シーズンがとても楽しみだよ」
なお、今季のMスポーツでドライバーを務めた2名のうち、タナクは来シーズンから新規にWRC最上位クラスへ参入するDMACKチームに移籍。全14戦に参戦することが正式に発表されている。