アルゼンチン・ロサリオで開催された世界ラリークロス選手権最終戦は、ロビン・ラーソン(アウディA1)がシリーズ初勝利を挙げた。チャンピオン争いは、ファイナルレースを3位で終えたペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)がティミー・ハンセン(プジョー208)を抑え、2連覇を達成した。
初日は悪天候に見舞われた最終戦アルゼンチン。スケジュールは変更され、決勝日にヒート1~3、セミファイナルの2レース、そしてファイナルレースが行われた。
予選敗退さえしなければチャンピオン獲得という有利な状態で最終戦を迎えたソルベルグ。ヒート2で下位に沈むもヒート3で2位に入り、4番手で準決勝に進む。
セミファイナル1では、予選トップだったアンドレアス・バッケルド(フォード・フィエスタST)がクラッシュを喫しファイナル進出を逃す。ラーソン、マティアス・エクストローム(アウディA1)、そしてティミー・ハンセンの弟で今回がスーパーカーデビューとなるケビン・ハンセン(フォード・フィエスタST)がファイナルへ。もうひとつのセミファイナルは、ハンセンが制し、ソルベルグ、ヤニス・バウマニス(フォード・フィエスタ)がファイナルに進出した。
迎えたファイナルレース。スタートからフロントローのティミー・ハンセンとラーソンがサイド・バイ・サイドの激しいバトルを繰り広げる。最終コーナーで膨らんでしまったハンセンは、ラーソンだけでなくエクストロームにも抜かれ3番手に。コースの最後に設置されたジョーカーポイントを2周目終わりにハンセンはクリアしたが、4周目に弟のケビンとクラッシュを喫しふたりはリタイアとなった。
激しい競り合いをするラーソンとエクストローム。エクストロームが5周目終わりに先にジョーカーへ進入。一方、ラーソンは最終ラップでジョーカーをクリアする作戦に出る。
エクストロームは出口で3番手のソルベルグに並ばれるも、ソルベルグを弾き力技で2番手をキープ。最終ラップを39秒408とファステストラップでラーソンを追いかけたが、わずかに届かず。ラーソンが世界ラリークロス選手権初勝利を挙げた。
「最初のコーナーでティミーと厳しいバトルをした。その後はマティアスが来たけど、残り3周でトップを守ることができた。とてもハードなドライブだったよ。すべてのコーナーでラインを守らなければならなかった。いくつかファイナルを戦ってきたけど、このレースは自分の人生の中で忘れられないものになるだろうね」と初勝利を振り返るラーソン。
3位表彰台獲得でチャンピオンに華を添えたソルベルグは、「週末の間、ずっとナーバスだった。信じられないくらいね。チャンピオン獲得は簡単だと皆思っただろうけど、実際はそうではないよ。信じられない気持ちだし、素晴らしい年になったよ」と喜びを語った。