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イヌイット伝統のデザインを模倣?KTZのアイテムが販売中止に

2015年11月30日 14:22  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

カナダの放送局CBSが投稿したツイッター
ロンドン発のファッションブランド「ケーティーゼット(KTZ)」が発表したコレクションの一部が先住民族イヌイットの伝統的なデザインを模倣したとして波紋を呼んでいる。この騒動に対してブランド側は、訴えを起こしたイヌイット血を引く女性に対して謝罪。問題の商品の販売を中止し、事態の収束を図っている。

KTZのアイテムがデザイン模倣で販売中止の画像を拡大

 イヌイットのシャーマンを先祖に持つ女性、Salome Awaの訴えによると、「KTZ」が今年1月に発表した2015年秋冬メンズコレクションのセーターが、Awaの曽祖父にあたるシャーマンがデザインしたものと酷似しており、「シャーマンの服を複写することはイヌイットの神聖なる法を犯すものだ」と主張。Awaがブランドのデザイナー、マラヤン・ペジョスキー(Marjan Pejoski)宛てに送った抗議の手紙が明るみになり、ブランドのSNSアカウントにはユーザーからの怒りの声が多数寄せられた。 ペジョスキーは、Awa宛てのメールで「我々は敬意を払いつつ、これまでにも多文化からインスピレーションを得て作品に取り入れてきた。コレクション発表時にクレジットとしてイヌイットの文化を参考にしたことは明記しているが、気分を害してしまい申し訳なく、それは我々の意図したことではない」といった内容を送付したという。これに対してAwaは、カナダの公共放送局CBCの取材に対し「曽祖父への謝罪と模倣した商品に支払われた対価についての記述がない」とし、謝罪を受け入れるも不満を漏らした。すでに撤収された問題の商品は、ロンドンやパリにある直営店やセレクトショップなどで1000ドル(約12万円)で販売されていた。