11月29日に、富士スピードウェイで開催されたニッサン/ニスモのファン感謝イベント『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015』のフィナーレで、ニスモの宮谷正一社長は、WEC世界耐久選手権のLMP1活動について言及した。
2015年に、WECのLMP1クラスに意欲的なFFレイアウトのニッサンGT-R LMニスモを投入したニッサン/ニスモ。しかし、第3戦のル・マン24時間に3台体制で臨んだが、信頼性、スピードともに不足しており、第4戦以降を欠場。10月の時点で今季の参戦を見合わせ、2016年に向けて開発を進めると発表していた。
29日に開催されたニスモフェスティバルでは、ダブルタイトルを獲得したスーパーGTをはじめブランパン耐久など、チャンピオンを獲得したシリーズについては盛大に祝ったものの、WEC活動についてニッサンGT-R LMニスモの展示や走行は一切なかった。オープニングでも、ニスモ柿元邦彦総監督が「ル・マンはさておき、スーパーGTでは……」と切り出す程度に留まっていた。
そんな中、迎えたフィナーレでファンに向けてあいさつした宮谷社長は、スーパーGTでの王座獲得について触れたあと、WEC活動について「ル・マン24時間では、LMP1の新たな取り組みを行いましたが、思うような成果は出せませんでした」と切り出した。
そして来季に向けて宮谷社長は続けて「来年に向けて、いま開発をかなり取り組んでいて、来年にはしっかりと戦うことができるようにしています」と現状を報告した。
ニッサン/ニスモでは、グローバルモータースポーツダイレクターを努めていたダレン・コックスが退任したりと、体制を再構築する動きが行われている。今回のニスモフェスティバルでも、ル・マンで3位表彰台を獲得したR390 GT1や、デイトナを制したR91CPがデモランし大いに歓声が沸くなど、ファンにとってル・マンはやはり見果てぬ夢。宮谷社長の宣言に大いに期待を高めたいところだ。