11月29日、富士スピードウェイで毎年恒例のニッサン/ニスモのファン感謝イベント『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2015』が行われ、非常に多くのファンが訪れるなか、さまざまなイベントが展開。世界中で王座を獲得した今季だけに、祝福ムードにあふれるイベントとなった。
今季ニッサン/ニスモは、日本ではスーパーGT500クラスでMOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリが、GT300クラスではGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートがタイトルを獲得。また、スーパー耐久でもST-3クラスで岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34が王座を得た。さらにヨーロッパでもブランパン耐久シリーズで千代勝正組がタイトルを獲得。バサースト12時間でもGT-Rが優勝を飾るなど、まさに歴史的な一年となった。
そんな1年を締めくくるNISMO FESTIVALには、朝から熱いニッサンファンが集結。有料のイベントながら3万人もの動員を集め、スタンド裏やパドックは多くのファンで賑わうこととなった。ドライバーたちも、ふだんのレースとは違った雰囲気の中で、気軽にサインや撮影に応じ、ファンに1年間の感謝を伝えた。
コース上では、今季戦ったGT-RやZの走行はもちろん、歴史的なレーシングカーを大切に保存し続けるニッサンらしい走行イベントも。『ニッサンモータースポーツ・ヘリテージラン』というイベントでは、1969年のニッサンR382をはじめ、スーパーシルエットのトミカスカイラインや、デイトナを制したR91CP、ル・マンで3位を得たR390 GT1など多くのマシンが、当時の迫力を伝えるスピードをみせつけた。
また、最新のGT-RやZがそろいデモレース『NISMO GP』を行いファンを盛り上げたほか、トークイベントも大盛況。迎えたフィナーレでは、この日走行した全車がメインストレートに集結。タイトルを獲得した岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34、ブランパン耐久のニッサンGT-RニスモGT3、そしてスーパーGTのMOTUL AUTECH GT-R、GAINER TANAX GT-Rが揃い、チャンピオンドライバーたちに花束が贈られた。
昨年もこのフィナーレでは、MOTUL AUTECH GT-Rのタイトルを記念し、ゼッケンステッカーをはがし『1』が登場するイベントが行われたが、今年はGAINER TANAX GT-Rのゼッケンが剥がされ、『0』が登場。ただ、ステッカーを剥がす際に2枚一気に剥がしてしまい、また『10』が登場してしまい爆笑に包まれるシーンも。MOTUL AUTECH GT-Rも、松田次生の手によってふたたび『1』が貼り直された。
「まさか自分でも連覇できるとは思っていませんでしたが、このNISMO FESTIVALで皆さんの声を聞いて、連覇を実感することができました。来年は誰もやったことがない三連覇に挑まなければなりませんが、皆さんの応援があればきっとできると思います」と次生が語ると、スタンドの日産応援団からは大きな声援が上がった。
最後にあいさつしたニスモの宮谷正一社長は「今年はニッサンGT-Rの年にできたでしょうか!? できましたよね。GT500では次元の高い戦いで、1号車がチャンピオンを獲れました。そしてGT300でもタイトルを獲れましたし、ヨーロッパでも力を入れてきているドイツ勢に対し勝つことができたのは素晴らしいことだと思います」と語った。
「スーパーGT500クラスは5年で4回タイトルを獲り、他のメーカーさんからも問題視されていますが、だからといって手を緩めるかといったら、緩めないですよね。来年も大きく戦っていきます」と宮谷社長が来季に向けて力強い連覇宣言を行い、盛況となったNISMO FESTIVALは幕を閉じた。