トップへ

アンジュルム卒業間近! 福田花音の参加楽曲は全部で何曲?

2015年11月28日 15:01  リアルサウンド

リアルサウンド

アンジュルム「出すぎた杭は打たれない / ドンデンガエシ / わたし」(zetima)

 アンジュルムのメンバー、福田花音が11月29日に行われる日本武道館のコンサートをもって、グループおよびハロー!プロジェクトから卒業する。アンジュルムの改名前グループのスマイレージ時代から数えると6年、ハロプロエッグ時代も含めると約10年間のアイドル人生の幕を20歳で降ろす。卒業後は作詞家を目指すと公言している。


 そんな福田花音が、これまでレコーディングに参加してきた楽曲がいったい全部で何曲あるのか、検証しつつ活動自体も駆け足で振り返ってみようというのが本記事の趣旨である。


 数え方としては、スマイレージおよびアンジュルム名義でリリースされたCDシングル・アルバム収録曲がまずあり、これを本カウントとする。バージョン違いの曲は別でカウントする。また、別ユニット等で参加した楽曲についても分けてカウントする。


 以下リスト中、特に表記がない場合はスマイレージまたはアンジュルム名義曲。シングルのカップリング曲には[c/w]、アルバム収録曲には[アルバム]、配信限定曲には[配信]と末尾に記した。また、2009年以降の各年でオススメ曲を一曲ずつ挙げていく。


・<2006年>ハロプロエッグ時代


【関連ユニット:3曲】
・空がある / 福田花音、北原沙弥香、ストューカス・ロビン・翔子、橋田三令
・妖かしの宝珠 / 安倍なつみ、福田花音[アルバム]
・虹の国へ / 福田花音、澤登ひほり、家泉明花、澤田樹里亜[アルバム]


 福田のアイドル人生は、2004年に行われた「ハロプロエッグオーディション2004」の合格から始まる(ハロプロエッグとは、現在のハロプロ研修生の改称前の名称)。同年4月にテレビ番組『ハロー!モーニング』等で募集され、当時10歳の福田も応募。8月10日にスポーツ新聞やハロプロ公式サイト等で32名が合格したことが発表される。


 翌2005年1月3日から中野サンプラザで開始した『Hello! Project 2005 Winter ~A HAPPY NEW POWER! 紅組~/白組』にて、ハロプロエッグが先輩アイドルたちのバックダンサーとして初めてステージに立つ。福田の初ステージもこの日ということになる。


 ハロプロエッグとしてレッスンに励む日々を送るが、メンバーの中には平行して個人仕事を行う者が何人か出てくる。福田もその一人で、2006年の「ニッセン“ちょっといいな”飛行船チャリティキャンペーン」のキャンペーンソング「空がある」の歌唱を担当したのは、福田をはじめ北原沙弥香、ストューカス・ロビン・翔子(後に改名して岡田ロビン翔子)、橋田三令の4人。この楽曲が福田の初レコーディング作品となる。キャンペーンソングなので一般販売ではなく、公式サイトからのフリーダウンロードという形式で発表。サイトでは現在もダウンロード可能だ( http://www.nissen.jp/hikosen2006/song/)。また、当時イベント等で無料配布されたCDシングルも存在する。


 同年11月にはミュージカル『白蛇伝 ~White Lovers~』に出演。この作品のサウンドトラックアルバム収録の2曲にも福田が参加している。そのうち1曲は、同ミュージカルの主演女優だった安倍なつみとのデュエットソング「妖かしの宝珠」。福田は当時の公式ブログ「かのんのいちごのツブログ」などで、尊敬する先輩として安倍の名前を挙げてリスペクトを表明していた。


<2008年>しゅごキャラエッグ!時代


【関連ユニット:2曲】
・みんなのたまご / しゅごキャラエッグ!
・はじまりのうた / しゅごキャラエッグ![c/w]


 2008年10月より放送のアニメ『しゅごキャラ!!どきっ』の主題歌を歌うために結成されたグループが「しゅごキャラエッグ!」である。メンバーに選抜されたのはハロプロエッグから前田憂佳、佐保明梨、福田、和田彩花の4人。佐保以外の3人はのちにスマイレージのメンバーとなり、佐保はアップアップガールズ(仮)のメンバーとなる。


<2009年>スマイレージ1年目・インディーズ時代


【本体:3曲】
・ぁまのじゃく / S/mileage
・あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい / S/mileage
・スキちゃん / S/mileage


【関連ユニット:2曲】
・てんとう虫のサンバ / 新ミニモニ。[アルバム]
・ペン ペン 兄弟 / 新ミニモニ。[アルバム]


 2009年4月、ハロプロエッグメンバー選抜による新グループの結成が発表される。メンバーは福田、前田憂佳、和田彩花、そして小川紗季の4人。これがスマイレージである。当初は「S/mileage」と英語表記だった。6月にインディーズシングル『ぁまのじゃく』をリリース。9月には第2期タンポポを思わせるブリティッシュポップ『あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい』、11月には現在でもライブの鉄板盛り上がりロック曲『スキちゃん』と矢継ぎ早にシングルを発表。いずれも名曲ぞろいで、つんく♂Pの力の入れようがうかがえる。その中でも1stシングルとなった『ぁまのじゃく』は、エヴァーグリーンなアイドルポップスの魅力が詰まっており眩いばかりの輝きを放つ。


<2010年>スマイレージ2年目


【本体:12曲】
・オトナになるって難しい!!!
・夢見る 15歳
・サンキュ! クレームブリュレの友情[c/w]
・○○ がんばらなくてもええねんで!!
・スマイル美人[c/w]
・同じ時給で働く友達の美人ママ
・ちょこっとLOVE[c/w]
・踊ろうよ[アルバム]
・女ばかりの日曜日[アルバム]
・シューティング スター[アルバム]
・学級委員長[アルバム]
・しっかりしてよ! もう[アルバム]


【関連ユニット:5曲】
・リトル♡ぷりんせす☆ぷりっ! / リルぷりっ
・ハッピーゴーラッキー☆ぷりっ! / リルぷりっ[c/w]
・アイドルール / リルぷりっ
・ヴィラヴィラヴィロー! / リルぷりっ[c/w]
・マイ・スクール・マーチ / おはガールメープル with スマイレージ


【バージョン違い:5曲】
・夢見る 15歳 (Pax Japonika Groove Remix)[配信]
・○○ がんばらなくてもいいんだよ!![c/w]
・○○ がんばらなくてもええねんで!! (TopNude Remix Version 01)[配信]
・同じ時給で働く友達の美人ママ (Remix Type1)[配信]
・○○ がんばらなくてもええねんで!! (TopNude Remix Version 02)[アルバム]


 3月リリースのインディーズ4thシングル『オトナになるって難しい!!!』よりグループ名表記を「スマイレージ」に改める。そして5月にシングル『夢見る 15歳』でメジャーデビュー。同曲で年末の『日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞する。


<2011年>スマイレージ3年目


【本体:16曲】
・ショートカット
・パン屋さんのアルバイト[c/w]
・乙女 パスタに感動[c/w]
・恋にBooing ブー!
・初恋の貴方へ[c/w]
・恋をしちゃいました![c/w]
・有頂天LOVE
・自転車チリリン[c/w]
・チュッ! 夏パ~ティ[c/w]
・タチアガール
・スマイル音丼[c/w]
・ブギートレイン'11[c/w]
・プリーズ ミニスカ ポストウーマン!
・こんにちは こんばんは[c/w]
・手を握って歩きたい[c/w]
・かっちょ良い歌 (フィーチャリング スマイレージ)[c/w]


【関連ユニット:2曲】
・負けるな わっしょい! / ベキマス
・ブスにならない哲学 / ハロー! プロジェクト モベキマス


【バージョン違い:4曲】
・ショートカット (Remix Version)[配信]
・有頂天LOVE ~rocketman mix~[配信]
・スマイレージ シングルス 激萌えリミックス[c/w]
・スマイレージ シングルス 激ヤバリミックス[c/w]


 順風満帆に見えたスマイレージだったが、この年の8月に小川紗季、12月には前田憂佳が相次いでグループ卒業。並行して2期メンバー4人が加入し、最終的には6人に落ち着いた。メンバー4人時代の最後のシングルとなったのが『有頂天LOVE』で、この曲はファン主催イベント『ハロプロ楽曲大賞2011』にて1位を獲得するなど評価が高い。明るくチャラいユーロビート調サウンドが、「問題児」「悪ガキ」と形容されていたスマイレージ4人の可愛くも生意気なキャラとベストマッチング。


<2012年>スマイレージ4年目


【本体:11曲】
・チョトマテクダサイ!
・チャンス到来![c/w]
・涙GIRL[c/w]
・ドットビキニ
・すまいるブルース / 須磨入姉妹[c/w]
・恋人は心の応援団[c/w]
・好きよ、純情反抗期。
・君は自転車 私は電車で帰宅[c/w]
・寒いね。
・私、ちょいとカワイイ裏番長[c/w]
・黄色い自転車とサンドウィッチ[アルバム]


【バージョン違い:1曲】
・スマイレージ シングルス 激アツリミックス[c/w]


 6人時代のスマイレージは、それまでよりライブ動員が落ちて、いわゆる“暗黒期”だったと現在のメンバーが述懐している。もっとも、楽曲自体のクオリティは別段落ちたわけでもなく、1期メンバー以上にキャラの強い2期メンバーたちの成長過程だったのがこの時期だろう。『チョトマテクダサイ!』『ドットビキニ』などはコミカルで楽しく、『好きよ、純情反抗期。』は後に見せるクールなカッコ良さの萌芽。『寒いね。』では初のウィンターバラードシングルにも挑戦している。「すまいるブルース」を歌っている須磨入姉妹というのはグループ内ユニットで、福田と田村芽実がこぶしを効かせる怪曲だった。


・<2013年>スマイレージ5年目


【本体:13曲】
・旅立ちの春が来た
・どうしよう[c/w]
・新しい私になれ!
・ヤッタルチャン
・ええか!?
・「良い奴」
・新・日本のすすめ![アルバム]
・大人の途中[アルバム]
・天真爛漫[アルバム]
・私の心[アルバム]
・夕暮れ 恋の時間[アルバム]
・ねぇ 先輩[アルバム]
・さよなら さよなら さよなら[アルバム]


【関連ユニット:1曲】
・海岸清掃男子 / HI-FIN


 この年の5月には1stアルバム『悪ガキッ(1)』から2年半ぶりのニューアルバム『(2)スマイルセンセーション』がリリースされた。シングルのみならずアルバム用新曲が粒ぞろいで、メンバー6人の魅力が凝縮された名盤である。7月にリリースされたシングル『ヤッタルチャン』では、他のハロプログループが歌っているところが想像しづらい、スマイレージならではの個性を発揮。12月リリースの『ええか!?』は同路線をさらにアップデートしたような曲調だった。


 HI-FINはSATOUMI movementから誕生したユニットで、メンバーは福田含む5人。「海岸清掃男子」はちょっとレトロなGSソング風で、セリフパートもある可愛らしい一曲だ。


・<2014年>スマイレージ6年目


【本体:8曲】
・ミステリーナイト!
・エイティーン エモーション
・嗚呼 すすきの
・地球は今日も愛を育む
・叙情組曲「スマイルファンタジー」[アルバム]
・ONE DAY[アルバム]
・か~てぃんこ~るんるん[アルバム]
・SMILE OVERTURE[アルバム]


【関連ユニット:9曲】
・Forget-me-not ~私を忘れないで~ / シルベチカ+少女たち[アルバム]
・Eli, Eli, Lema Sabachthani? / オールキャスト[アルバム]
・繭期のティーチング / 紫蘭・竜胆+少女たち[アルバム]
・或る庭師の物語 / シルベチカ・リリー+少女たち[アルバム]
・ひとりぼっちのスノウ / チェリー+少女たち[アルバム]
・共同幻想ユートピア / ファルス+少女たち[アルバム]
・永遠の繭期の終わり / リリー+少女たち[アルバム]
・少女純潔 / オールキャスト[アルバム]
・葬送終曲「聖痕《スティグマ》」 / リリー・シルべチカ・紫蘭・マリーゴールド[アルバム]


【バージョン違い:4曲】
・Eli, Eli, Lema Sabachthani? ※Ver.違い[アルバム]
・ONE DAY [新録ver.][アルバム]
・叙情組曲「スマイルファンタジー」 [新録ver.][アルバム]
・私の心 / 福田花音[アルバム]


 2014年、それまでライブハウスツアーを行っていたスマイレージが、7月に日本武道館コンサートを敢行することを発表。動員が危ぶまれたが、当日は見事ソールドアウト。グループがこれまでに蓄積していた経験やスキルが大舞台で花開いた感動的な公演だった。その武道館で初披露されたシングル曲「地球は今日も愛を育む」は、スペーシーな曲調でそれまでよりもさらにもう一段階成熟したグループの魅力を表現したかのような楽曲だった。


 また、この年は8月にモーニング娘。'14との共演で『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』、10月に『S/mileage's JUKEBOX MUSICAL「SMILE FANTASY!」』という2本のミュージカルを行い、それぞれサウンドトラックアルバムがリリースされた。前者での福田は紫蘭という役柄を演じていた。後者は過去のスマイレージ楽曲をフィーチャーした演劇という趣向で、サントラには各メンバーのソロ歌唱曲を収録、福田は「私の心」を歌った。


・<2015年>アンジュルム1年目


【本体:14曲】
・大器晩成
・乙女の逆襲
・七転び八起き
・臥薪嘗胆
・魔法使いサリー
・出すぎた杭は打たれない
・ドンデンガエシ
・わたし / 福田花音
・涙は蝶に変わる[アルバム]
・カクゴして[アルバム]
・マリオネット37℃[アルバム]
・汗かいてカルナバル[アルバム]
・交差点[アルバム]
・友よ[アルバム]


 前年2014年秋頃からスマイレージは激動の季節を迎える。まず10月に3期メンバー3人が新たに加入。12月にはグループ名をアンジュルムに改名。そして今年2015年初頭に新曲「大器晩成」および「乙女の逆襲」をライブ披露。この2曲はつんく♂ではない別の作家がそれぞれ提供した楽曲であり、現在の様々な作家が関わっているハロプロ新体制の先駆けのような作品だった。特に「大器晩成」の爆発的なファンクサウンドは、新メンバーの加わったアンジュルムの新たなフォルムを体現したかのような勢いを感じさせ、ファンの圧倒的な支持を得ている。同年5月に行われた日本武道館のライブ名、11月25日リリースのアルバム名それぞれに「大器晩成」の名称が冠せられていることからもそれは明らかだ。


 そんな中、5月20日にウェブ番組『ハロ!ステ』にて、福田本人の口によってアンジュルムおよびハロプロからの卒業発表が告げられた。在籍ラストシングルには福田のソロ歌唱オリジナル曲「わたし」が収録されている。この曲の作詞は福田であり、卒業後に目指す作詞家への道の第一歩となっている。


 それでは最終集計。ここまでの曲数をすべて合計すると、以下のような数値になった。


【本体:77曲】
【関連ユニット:24曲】
【バージョン違い:14曲】


 ハロプロメンバーには珍しく、ファンに容赦なく突っ込むなど当世アイドル気質を帯びた現代っ子キャラが特徴だった福田花音だが、その歌唱力やダンス力といった実力面も何気に高かった。アイドル10年やっちまった「まろ」の最後の晴れ舞台である11月29日の日本武道館、どんなステージングを魅せてくれるのか今から非常に楽しみだ。(ピロスエ)