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『文化庁メディア芸術祭』受賞作発表、マンガ部門大賞は東村アキコ

2015年11月27日 17:00  CINRA.NET

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『第19回 文化庁メディア芸術祭』ロゴ
文化庁メディア芸術祭実行委員会による『第19回文化庁メディア芸術祭』の受賞作品が発表された。

今年度はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、87の国と地域から4417作品の応募が集まり、国内からは過去最多となる2201点があった。

アート部門の大賞に選出されたのは、チュン・ワイチン・ブライアンによる『50.Shades of Grey』。プログラミング言語を使用したコンセプチュアルかつ視覚的な作品で、額装した6枚のシートで構成されている。優秀賞には日本から長谷川愛の『(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合』、新人賞に山本一彰の『算道』が選出されている。

エンターテインメント部門の大賞は岸野雄一による音楽劇『正しい数の数え方』。フランス・パリで初演された同作は、人形劇や演劇、アニメーション、音楽演奏といった複数の表現で構成された観客参加型の作品だ。審査員の宇川直宏は、「この全身勉強家の複合芸術を“メディア芸術”と呼ばずに何を“メディア”、そして“芸術”と呼ぶのか?」と評している。新人賞には橋本麦とノガミカツキが制作したgroup_inouのPV“EYE”、吉開菜央監督の映画『ほったまるびより』が選出。

アニメーション部門の大賞はフランス出身のボリス・ラベによる『Rhizome』。ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリが提示した「リゾーム」の概念から名付けられた作品で、緻密かつ大胆な構図の短編アニメーションとなる。作者のラべは1987年生まれ、現在はスペイン・マドリッドを拠点に活動している。日本からは岩井俊二監督作『花とアリス殺人事件』が優秀賞、新井陽次郎監督の『台風のノルダ』が新人賞に選ばれた。

マンガ部門の大賞に輝いたのは、東村アキコの『かくかくしかじか』。優秀賞には志村貴子『淡島百景』、田亀源五郎『弟の夫』、業田良家『機械仕掛けの愛』、ポルトガルのホー・ティンフンによる『Non-working City』が選出され、新人賞にはネルノダイスキの同人誌『エソラゴト』、おくやまゆか『たましい いっぱい』、安藤ゆき『町田くんの世界』が選ばれている。

受賞作品展は2016年2月3日から東京・六本木の国立新美術館を中心に開催。受賞作品約160点を紹介するほか、ゲームやガジェットといった体験型の作品、アニメーションや漫画の関連資料の展示や、映像作品の上映、さらに受賞作品や審査委員会推薦作品の全巻を自由に閲覧できる「マンガライブラリー」も設置する。トークやパフォーマンス、ワークショップなども行われる予定だ。詳細は『文化庁メディア芸術祭』のオフィシャルサイトで確認しよう。