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ななみ、渋谷スペイン坂スタジオでサイレントストリートライブ ヘッドフォンした客が手拍子を送る

2015年11月27日 15:41  リアルサウンド

リアルサウンド

ななみ

 シンガーソングライターのななみが11月25日、TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオで『NANAMI SILENT STREET LIVE「この歌は、街を黙らせる」』を行なった。


(関連:ななみが最新作&路上ツアーを経て考えたこと「昔の自分に喝を入れられてる気がした」


 73回にも及ぶ全国でのストリートライブの経験からななみ自身が発案した“サイレントストリートライブ”という当企画。アクリルBOX(当イベントでは、サテライトスタジオのブース内)の中でライブを行い、観客はヘッドフォンを装着することでのみ、ななみの歌を聴くことができる。騒音問題に配慮し、ファンにとってはななみの歌以外を遮断して聴くことができる、ある意味で画期的なストリートライブだ。9月に横浜の桜木町駅前で行った同ライブが話題となり、TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオには多くのファンが集まっていた。


 1曲目は「許されざる愛」。小気味好いリズムでギターを奏で歌う、ななみの声には艶があり、ヘッドフォン越しに心地よく伝わってきた。ななみは「周りからは不審な集団に見えるね」と語ったのだが、確かに音が出ていないスタジオの前にヘッドフォンをしたたくさんの人が、ただ手拍子を送るという光景は不思議なものだった。


 だが、実際に体験してみると、次第に歌に引き込まれ、ななみの歌にある棘や脆さ、温かさという感情がより伝わってくるように感じた。語りかけるように歌われたメジャーデビュー曲の3曲目の「愛が叫んでる」では、「誰かを救いたい」という思いで綴られた楽曲の温もりに引き込まれ、観客は手拍子も歓声もあげずに静かに聴き入っていた。



 ラストに披露された楽曲は「I live for love」。その歌詞には〈たとえこのラヴソングが沢山の人に届かなくても それでいい それでいい 君に贈っているから〉という一節がある。11月11日にリリースされた『Lovin’you あなたと繋がる6つの方法で』時のインタビュー(「ななみが最新作&路上ツアーを経て考えたこと『昔の自分に喝を入れられてる気がした』」http://realsound.jp/2015/11/post-5210_3.html)では、路上ライブを経験して「イヤな思いして、いい思いもして。人間的にすごく成長できた」と語っていたが、ななみはそのライブからひとりひとりの観客としっかり向き合うことの大切さを実感したのかもしれない。そんな芯の通った思いを感じることができたライブだった。(リアルサウンド編集部)