ドキュメンタリー番組『ジドリ』が12月5日にNHK総合で放送される。
同番組は、斎藤工と森山未來がそれぞれ小型カメラで1か月間にわたって自身を撮影する「自撮りドキュメンタリー」。『斎藤工×ジドリ ~映画を抱く~』と題した斎藤工編では、月に30本の映画を見るという斎藤の映画通としての一面や、沖縄の離島、台湾への一人旅などプライベートの様子を記録している。
森山未來編『森山未來×ジドリ ~田舎で踊る~』では、愛媛・内子町の芝居小屋を拠点に、森山が地域の人を巻き込んで土地に根ざした文化や伝統を取り込みながら舞台制作に没頭する様子を森山自身の視点で追う。
なお斎藤編の構成は、映画監督の松江哲明が担当。番組全体の音楽は前野健太が手掛け、演奏は前野とジム・オルーク、石橋英子、須藤俊明で構成される前野健太 with Soaplandersが行なっている。
■斎藤工のコメント
“自撮り”と言う行為は“自分の都合”
SNSや自撮り自体が苦手な私はこの期間
なるべく“都合の悪い時”にカメラを回す事を義務付けました
そうでなくては自分が観たいと思うドキュメント番組にはならないはずだと思ったからです
そんな出来たら“観られたくない大量の時間”を
ごっそり松江監督に投げました
ある種の恥部を晒す事より松江さんと作品を作れる事の方が
圧倒的に価値があるからです
あなたの“その時”と重ね合わせてご気軽にご覧頂けたら幸いです
■森山未來のコメント
自撮りしていると、自分がどう見られたら面白いのかを考えるようになって、そんな時間を楽しんだ日々でした。この瞬間を端から見ていたら面白いかなと想像したり、いかに他人に撮ってもらわず自己完結で撮るか工夫したりしていました。もちろん撮る瞬間を決めるのは自分なので、見せたい部分と見せたくない部分はあるんですけど、それでも垣間見えるものってあるんじゃないかと。「森山未來はこれをチョイスして撮ったんだ」っていうことを映像から感じてもらえればと思います。このところ個人的に自撮りのハードルが下がってきて、映像の遊び方も覚えてきたので、また機会あればやりたいです。普段ふらふらしていますので、撮らせてもらえるんであればいつでもやりますよ(笑)。
■松江哲明のコメント
自撮りは被写体にカメラを預けるという極端な撮影方法だが、だからこそ映し出せるものがある。この企画を聞いた時、すぐに斎藤工の名前が浮かんだ。世間のイメージと僕らの前で見せる顔に大きなギャップがあるからだ。「撮影、斎藤工」の映像には、密着のスタイルでは撮れない距離感、空気感、そして演出がある。
アラサー女子からは「抱かれたい男ナンバー1」に選ばれ、鳥居みゆきには「妖怪壁ドン男」と命名され、マツコデラックスに「顔が性器」と呼ばれるのが世間の斎藤工のイメージだ。
約一ヶ月に渡って自撮りをしてもらったのだが、彼は想像以上の映画マニアだった。隙あらばDVDを取り出し一ヶ月に30本以上は鑑賞。きらびやかな女性が集まる東京ガールズコレクションの控え室で『ウォリアーズ(アクション映画)』を見る男は斎藤工だけだろう。「自撮りする男にロクな奴はいない」と企画を根底からぶち壊すような告白をしながらも「普段から裸です」と言ってサービスカットも撮っておいてくれるセクシー俳優に、カメラの横にいない監督は素材が届く度に爆笑していた。小型ビデオの質感を生かした攻めたドキュメンタリーを目指して制作した作品の「映画を抱く」というサブタイトルは、一見、冗談のようだけど、けっこう本気です。
■前野健太のコメント
スタッフの方から番組のテーマを聞かされるなか、ひとつの「あがき」という言葉が耳に残りました。それは以前、とあるジャズ喫茶の女性店主が私に言った言葉とそっくりなものでした。私はすぐにこれがテーマソングになるだろう、と勝手に思いました。その時は誰からも、テーマソングを作って欲しい、などとは言われてなかったのですが。歌が押し寄せてきたようでした。