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40歳までの飲酒習慣 中高年期の乳がん発症リスクを増やす

2015年11月27日 10:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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いまや2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる「がん時代」に突入。身近な病気であるわりに、デマや噂に惑わされないで本当に役立つ情報を見つけだすのは難しい。そこで、がんに詳しいスペシャリストたちに話を伺った。 ・お酒に強いとかかりやすい? 「ホントです。WHOは口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸のがん、女性の乳がんで、アルコールが原因になると報告しています。また乳がんについては、習慣的な飲酒は少量でも発症リスクを増やすという、アメリカの報告もあります」(ロンドン大学・小川徹先生) なかでも若年層の飲酒は影響が大きい。 「40歳までに飲酒習慣のあった人は、それ以降にやめたとしても、中高年期の乳がん発症リスクを増やすとの研究データもあります」(小川先生) お酒の量だけでなく、アルコール度数も要注意。 「スピリッツやテキーラなどアルコール度数が高い酒を好んで飲む人は、口腔・咽頭・喉頭がんのリスクが高くなります。消毒用アルコールでさえアルコール濃度は70%ですから、90%を超えるスピリタスなんて、人間の飲み物じゃないですね(笑い)」(秋津先生) ・コーヒーをよく飲む人はがんになりにくい? 「これはホント。一部の皮膚がんの発症率が下がると報告されています。最近ではハーバード大学が“コーヒーを多く飲む人は、悪性黒色腫『メラノーマ』の発症率が下がる可能性がある”と発表しました。メラノーマは皮膚がんのなかでも特に悪性度が高いことで知られています」(小川先生) 紫外線を浴び続けるとシミ、シワの原因になるだけでなく、皮膚がんの発症リスクも高めるのはよく知られた話。日本でも近年、増加傾向にあると小川先生。 「皮膚の細胞のDNAが紫外線によって傷つくことで発症しやすくなります。コーヒーが効果的なのは、カフェインが傷ついた細胞を死滅させて、がん化しないよう働きかけているせいかもしれません」(小川先生) ただし飲みすぎは禁物!別の危険を高める恐れが。 「コーヒーを飲みすぎると胃痛や骨粗鬆症のリスクを高めます。1日3~4杯程度が適切だと思います」(医学博士・植田美津恵先生)