千葉市は11月24日の会見で、最終開庁日の28日に予定されていた「仕事納め式」を25日に前倒しすることを発表した。28日は市民向けの窓口サービスは行うが、会議などの仕事は入れず、有給休暇を取得しやすい環境を整える。
この前倒しで28日に有休を取得すると、年末年始の職員の連休は6日から9日に延びる。千葉市はこれを「幸せシフト」と呼び、職員が家族と過ごせる時間を増やして、ワーク・ライフ・バランスを推進することをねらう。
仕事納め式も簡素化。「民間に広がりやすくなる」と歓迎の声も
千葉市の熊谷俊人市長(@kumagai_chiba)は「幸せシフト」の導入に至る経緯をツイッターで語っている。仕事納めの前倒しは他の自治体での前例がないため、職員からは市民の反発を懸念する声もあがった。しかしリスク等を分析し、実施する意義があると判断したとのことだ。
「窓口等の市民サービスに影響が出ない範囲で実施します」
「従業員のリフレッシュや家族と過ごせる時間を増やすため、周りの企業にも広がって欲しいと思います」
仕事納め式も「年末市長講和式」として簡素なものに変更。「最終日の挨拶回り等の動きを分散・平準化させ、慣習ではなく職場の状況に応じて有給を取得可能とすることが主眼」だ。一連の投稿には、フォロワーから評価する声があがっている。
「すばらしい取り組みに感激しました!千葉市職員のご家族はとってもうれしいんじゃないかと思います!!」
「官庁が進んで有休消化や育休取得を促すことで模範となり、民間に広がりやすくなると思います」
中には「公務員様達はイイねぇ。最大のサービス業だと思っているので年中無休で奉仕されたらよろしいかと」と批判する声もあったが、市長は「有給を取得しやすくするだけです。窓口を休む等をするわけではありません」と説明を加えた。
職員の効率性や意欲・能力向上は「そのまま納税者に返ってくる」
また市長は、「幸せシフト」の背景にある考えを次のように説明している。
「私は民間出身として公務員の身内に甘い体質の改善は進めますが、職員の効率性や意欲・能力向上はそのまま納税者に返ってきますので、効果が出る施策は積極的に実施する考えです」
熊谷市長は2009年に全国最年少の市長に当選して以来、市長給与(20%)や市長退職金(50%)のカットに踏み切るなど、経費削減にも努めている。
単に「公務員の仕事をラクにする」だけでは、批判は避けられない。このような施策に踏み切ることができるのも、市民との信頼関係があるからだろう。
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