レッドブル、再びF1撤退発言。 新エンジン案否決の影響も

レッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツは今週、レッドブル・レーシングとトロロッソが2016年にF1に参戦するかどうかはまだ分からないと発言した。

　レッドブルが来季F1エントリーを行ったことは分かっており、レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーはF1活動を継続すると認めている。しかしマテシッツは、レッドブルが所有するメディアSpeedweekを通して、「その宣言は性急だった」として、あくまで2017年にクライアントエンジンが導入されることが前提だと述べている。

　メルセデスとフェラーリはレッドブルにワークスチームと同レベルのパワーユニットを提供することを拒否、レッドブルは来季エンジンをまだ確定しておらず、F1撤退の可能性を何度も示唆してきた。FIAは、このようにチームがエンジンを得られない事態を避け、カスタマーがもっと安価なパワーユニットを入手できる状態にするため、新たな仕様の“クライアントエンジン”を導入するというプランを立ち上げた。

　しかし今週火曜、この案は予想どおりF1コミッションから却下された。その代わり、マニュファクチャラーはコストや供給の保証などの問題を解決するための対策を講じることに合意している。

　この決定が出る直前にSpeedweekに掲載されたコラムには、クライアントエンジン案がF1コミッションで却下されることは予測されており、「今の段階ではレッドブルのふたつのチームが2016年に参戦することは確定しておらず、極めて困難な状況」と記されている。


　Speedweekを通してレッドブルは、ルノーおよびイルモアとの契約があり、2016年にノーブランド扱いでルノーのパワーユニットを搭載することが保証されていると明言しながらも、そのPUの競争力は予想できず、しかもルノーがワークス活動をすることもレッドブルにとってはマイナスになると述べている。レッドブルは暫定的な解決策として来年ルノーのパワーユニットをノーブランドで使用することには不満はないが、その後、コンペティティブなエンジンを搭載できる見込みがないのであればそうする意味はないという。

「ひとつ明らかなことがある。代替エンジンが2017年に存在しない場合、レッドブルがF1から去る可能性は十分ある」とSpeedweekには記されている。
「2016年シーズン開幕まで4カ月となったが、いまだ不確かな状況だ。今の段階ではレッドブル・レーシングとトロロッソの1000人の従業員、4人の極めて優れたドライバーの今後は不透明である」

「レッドブルのふたつのチームは2016年にF1に参戦するか、という質問にははっきりとは答えられない」とマテシッツは述べている。
「エンジンを確保できるかどうかについても、今後のプランについても、分かっていないからだ」