ヒュンダイ・モータースポーツ代表のミシェル・ナンダンは、世界ラリー選手権(WRC)で起用しているティエリー・ヌービルの移籍に関する憶測を否定。来シーズンもヒュンダイに留まると確信していると語った。
ヌービルは今季、第2戦スウェーデンでは優勝争いを演じたものの、その後は苦戦。6月の第6戦イタリア以降は表彰台からも遠のいていた。また、最終戦ラリーGBには、ワークスチームではなくサテライトチームからエントリー。しかし、ここでもアクシデントとクラッシュが相次ぎ、完走することなく2015年シーズンを終えている。
一部ではヌービルとヒュンダイの関係は悪化しており、来季はMスポーツか、1年間ワークスでのWRC参戦を休止するシトロエンへ移籍するのではと報じられていたが、ナンダンはこれを否定した。
ナンダンは英AUTOSPORT.comに対し、「近いうちに、ヒュンダイのレーシングスーツを着たティエリーを見ることができるだろう」と語っている。
「ティエリーは来シーズンもヒュンダイドライバーとしてWRCに参戦する。これは200%間違いないよ」
ナンダンは先日、最終戦でヌービルをサテライトチームからエントリーさせた意図について、マニュファクチャラーランキング争いのプレッシャーから解放し、来季に向けた自信を取り戻させることにあると明かしている。
そのラリーGBでヌービルは、デイ1走行中に左リヤタイヤが脱輪するアクシデントによりデイリタイアした。チームは脱輪の原因について、ドライバーたちがタイヤ交換を行った際、ナットなどに泥が付着したことが要因とみなしている。
その後、復帰したデイ2序盤はステージ最速タイムを記録する好走をみせる。しかし、SS11でバランスを崩し、マシンが横転するほど激しくクラッシュ。競技に復帰できずリタイヤした。このクラッシュについて、ナンダンはヌービルを責める気はないとコメントしている。
「ティエリーがクラッシュした場所は、もっともコンディションの悪いポイントだった」
「彼は誰よりも先にあのステージを走行したんだ。誰にでも起こりうるアクシデントだと思っているよ」
「ワークスチームとサテライトチームのドライバーをシャッフルするという選択は間違っていなかったと思う。ティエリーは素晴らしいステージタイムを記録し、自信を取り戻すことができたと思うからね」