2015年11月24日 18:51 弁護士ドットコム
わいせつ物公然陳列罪などで起訴された芸術家・漫画家「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人の第7回公判が11月24日、東京地裁(田辺三保子裁判長)で開かれ、ろくでなし子さんの被告人質問がおこなわれた。
【関連記事:現役女優から「死にたい」というメールが届く――AV出演強要の実態(下)】
裁判の争点は、女性器をかたどった「デコまん」と呼ばれる作品や、女性器をスキャンしてつくった3Dプリンタ用のデータが、刑法の「わいせつ」にあたるかどうかという点。ろくでなし子さんは被告人質問で、「自分の無罪を確信している」、「作品はわいせつではない」と改めて無罪を訴えた。
ろくでなし子さんは、風邪で体調を崩したそうで、裁判所からペットボトルの水とティッシュ箱を持ち込む許可を得て、被告人質問に臨んだ。
裁判長から「(絵や彫刻などではなく)自分の女性器をかたどることに意味があるのか」と問われると、「暗い、いやらしいといった女性器のイメージを覆して、明るい、ポップな印象を与えたかった。そのためには、絵のようなもので表現するだけでは伝わらないと思った」と述べた。
また、弁護団長の須見健矢弁護士から「最後に何か言いたいことは?」と問われると、次のように今回の裁判の意義を語った。
「(逮捕・起訴されたことについて)理不尽だと思うし、納得していない。だけど、裁判になったことで、これまでタブー視されたきた女性器や、表現規制の問題について考えるきっかけになった。その点は良かったと考えている」
その上で、「私は自分の性器がわいせつだとは考えていないし、無罪を確信している。裁判官は公正な目線で判断してほしい」と訴えた。次回公判は2016年2月1日の予定。検察の論告や弁護人の弁論が行われる。
(弁護士ドットコムニュース)