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エルマンノ・オルミ最新作『緑はよみがえる』日本公開へ 1917年冬、激戦地での一夜の戦い描く

2015年11月24日 15:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『緑はよみがえる』

 エルマンノ・オルミ監督の最新作『緑はよみがえる』が、2016年4月23日より岩波ホールほかにて日本公開されることが決定した。


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 『緑はよみがえる』は、『木靴の樹』(78)でカンヌ国際映画祭パルム・ドールに輝き、『聖なる酔っぱらいの伝説』(88)ではヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した、イタリア映画界の巨匠エルマンノ・オルミがメガホンをとった最新作。2015年の第65回ベルリン国際映画祭に特別招待作品として出品され、イタリア版アカデミー賞ともいわれる2015年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では、作品賞と監督賞を含む8部門にノミネートされた。


 1917年冬、北イタリアのアジアーゴ高原。塹壕に身をひそめ、寒さと死の恐怖に怯えるイタリア軍兵士たちにとっての唯一の楽しみは、家族や恋人から送られてくる手紙だけ。着任したばかりの若い中尉は、想像とは違う初めての戦争に戸惑いながら、母への手紙に「人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか」と綴る。やがて、一時の平和は破られ、オーストリア軍の激しい砲撃が開始される…。


 『緑はよみがえる』は、83歳になったオルミが、父への想いを込めて完成させた作品。オルミは「父はヒロイズムに駆られて、19歳で第一次大戦に従軍しましたが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えてしまいました。戦友を思い、父が涙するのを見たのは一度きりではありません」と語り、いまだ世界のどこかで戦争が続く現代に、1917年の戦争を描くことで、あらためて平和を問いかける。オルミの息子でもあるファビオ・オルミが撮影監督を、娘のエリザベッタ・オルミがプロデューサーを務め、『海と大陸』『最後のキス』などで知られるクラウディオ・サンタマリア、『ジョルダーニ家の人々』のアレッサンドロ・スペルドゥティらが出演している。(リアルサウンド編集部)