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「車体の大改革なしでもタイヤだけで4秒短縮は可能」

2015年11月23日 17:21  AUTOSPORT web

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ピレリはタイヤだけで4秒短縮は可能だと考えている
ポール・ヘンベリーは2017年のレギュレーションが困難な状況になっている件を受けて、ピレリの提案する安価なソリューションならば、現在と比較してラップタイムを1周あたり4秒縮められると考えている。

 2017年は様々な手法を用いてラップタイムを5秒から6秒短縮する、というプランが今季序盤に発表された。しかし今後どうしていくかについて、チーム側の合意はまだ得られていない。

 問題の一部は、ピレリが要求されている幅広タイヤを来季採用予定のアグレッシブな空力パッケージでテストするためには、2017年仕様のプロトタイプが必要だという部分にある。2017年に使われる可能性の高い、ダウンフォースが増加した仕様はシミュレーター上で問題なくテストできるが、コンパウンドに関しては修正が必然となるため、コース上での実走テストが不可欠だとピレリは主張している。

 ピレリのモータースポーツディレクターであるヘンベリーは、タイムの大幅な更新はマシンの設計に大きな変更を採用せずとも、純粋にタイヤを切り替えるだけで叶えられると考えている。

「パフォーマンスの向上を望むなら、私たちが叶えられる」とヘンベリー。
「タイヤサイズの変更だけでもおそらく2秒は稼げるだろう。さらに適切なテストプログラムがあれば、タイヤと車体のごく自然な進化の結果として4秒縮められる。チームは他に、大したことをする必要もない」

「誰にとっても安上がりだし、皆が私たちに手を貸してくれれば全チームがマシンを設計し直すよりも経済的だ」
「もしかしたら何か他にもやるべきことがあるかもしれないが、パフォーマンスのみに関して言えば、可能だ」
「さらに言えば、様々なタイプのコンパウンドの提供も可能だろう。誰かが提案してくれたように、15周を思い切り攻めて使えなくなったら交換するという方向性もいいかもしれない」

 ヘンベリーは、いくつかのチームは2017年仕様であるフロント300mm、リヤ400mmに適応させるために、現在のマシンを変更できることをすでに確認している。この場合、ピレリは2016年内のテストが可能となる。よりドラマティックな見た目となる新仕様のマシンに向けて、例えその空力パッケージの登場が予定より遅れたとしても、確実に前進できる。

 ヘンベリーは「最小限のことを言えば、『タイヤサイズを変更して、それ以外は今のレギュレーションを維持すればいい』ということになる。少なくとも3チームが、事前に十分な通達をしてくれれば空力パッケージを全て変更しなくとも、現在のマシンを改造して最低限タイヤサイズの変更に対応できると言っている」と付け加えた。