今年苦戦が続いているマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソ。トラブル続きで表彰台から遠ざかって久しいが、現在トップ争いをしているライバルほど苛立ちを感じることはないという。
先日のブラジルGPで予選早々にマシンを止めた元ワールドチャンピオンは、コースサイドのデッキチェアに座ってコースを眺めているシーンが映し出され、「 #PlacesAlonsoWouldRatherBe (アロンソの場所であってほしい)」というハッシュタグとともにTwitter上で話題になった。
あのシーンをどう捉えるかは人によって異なるだろうが、アロンソ自身は今季チャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンを例に挙げ、彼が2位でレースを終えた時ほどの苛立ちはないという。
「もちろん、今シーズン全体を見ても僕は苛立つことが多かった」とアロンソ。
「しかし同時にたくさんの事も学んだよ。どちらかと言えば、2位や3位で表彰台に上がらなければいけない時の方が、もっと苛立っていたね」
今年もハミルトンがシーズン全体を支配し、アメリカGPで早々とチャンピオンを獲得。一方、僚友のニコ・ロズベルグやフェラーリのセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンらは常に負ける側になっていたため、彼らの苛々する気持ちが分かるという。
「チームメイト間のトラブルなどで微妙な状況になっているシーンの写真や、ライバルたちの表情を見たりする機会があった」
「実際に皆がどう思っているかは分からないが、あの時の気持ちは大体分かる。もしリタイアしてバイクやセーフティカーでガレージに戻ってくるときは、少し距離を置いてほしいものだ」
またアロンソは、今年は苦戦しながらもマクラーレン・ホンダとともに多くのことを学び、それを来季に活かせることを繰り返し強調した。
「僕の頭の中はすでに来シーズンのことでいっぱいだよ。全ての問題が解決され、ゼロに戻った状態で来シーズンを迎えられることを願っている」
「まだ我々は成功に向けて歩み続けている最中で、失敗や問題から多くのことを学んでいるところだ」
今の結果が出ていない現状は、彼の気分を下げる要因にもなっているが、これまでチャンピオン争いに絡めなかったフェラーリ時代から比べれば状況は良いのだという。
「2013年まではレッドブルが他より1秒も速く、昨年はメルセデスが他より1秒速かった。我々は常に勝利を求めているし、そのためにここ数年は一生懸命やってきた」
「しかし、これ以上(フェラーリで)レースをしても勝利は見出だせないことが分かったんだよ。だからマクラーレン・ホンダに移った。それが近い将来メルセデスを破るための最善の道だったからね」
「それを実現させるための力強いプロジェクトなんだよ。現在のF1を理解するのは簡単ではないけど、僕は確実に正しい場所にいると思う」