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第62回 F3マカオグランプリ:トップチェッカーのジョバナッツィがペナルティーで降格。予選レースはロゼンクビストが勝利

2015年11月21日 20:21  AUTOSPORT web

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2015 F3マカオGP 予選レースで勝利したフェリックス・ロゼンクビスト(プレマパワー)、2位:チャールズ・レクラーク(ファンアマースフォールトレーシング)、3位アレキサンダー・シムス(ダブルR)
F3世界一決定戦と称される第62回マカオグランプリは、11月21日に大会3日目を迎え、明日の決勝レースのグリッドを決する10周の予選レースが行われ、アントニオ・ジョバナッツィ(カーリン)が逆転でトップチェッカーを受けるも、ペナルティーで降格処分となり、フェリックス・ロゼンクビスト(プレマパワー)が優勝。明日の決勝レースでもポールポジションからスタートし連覇に挑むこととなった。

 どんよりとした曇り空の下、時折ぽつり、ぽつりと雨粒が落ちてくるものの、ドライコンディションのまま迎えた午後1時45分からの予選レースは10周の戦い。28台のマシンが無事グリッドへ着いたが、フォーメーションラップの開始時に山下健太(トムス)がストール。山下は再始動が叶わず、オフィシャルにピットロードに押し戻されピットスタートとなる。

 フォーメーションラップを終えた27台は、午後1時49分にレッド5がブラックアウトしてスタート。ポールポジションのロゼンクビストがトップのまま1コーナーをクリア、その背後では2番手スタートのダニエル・ジュンカデラ(フォーテック)と、4番手スタートのアントニオ・ジョバナッツィ(カーリン)が2番手を争いながらロゼンクビストに続いてリスボアに進入するが、ここで2台がもつれ合うように接触。ジュンカデラはイン側のガードレールにクラッシュし、カラム・イロットら数台が巻き込まれる多重クラッシュに。3番手にはチャールズ・レクラーク(ファンアマースフォールトレーシング)が浮上するが、ここで高星明誠(B-Max Racing team)、ニック・キャシディ(トムス)らは行き場を失い、接触は避けられたものの事故現場で動けず最後尾にドロップ。逆にピットスタートの山下は彼らに先行する格好となった。

 このアクシデントにより、オープニングラップのうちにセーフティーカーが導入されるが、このSC中に破片を踏んだ関口雄飛(B-Max Racing team)、フロントウイングにダメージを受けた金丸悠(カーリン)ら数台がピットイン、修復を受けてコースに復帰。レースは2周終了時にリスタートとなる。


 リスタート直後、トップのロゼンクビストのスリップストリームを奪ったジョバナッツィが、リスボアまでのストレートでトップに立つと、その背後でアレキサンダー・シムス(ダブルR)もセルジオ・セッテ・カマラ(モトパーク)を捕らえ5番手に浮上。日本勢もリスタートをうまくこなし、3周終了時点で山下17番手、関口18番手、キャシディ19番手、金丸20番手、高星22番手で追走する。

 4周目にはシムスがマックラウドをパスし4番手に浮上。6周目にはマーカス・ポマーがカマラをオーバーテイクし、6番手にポジションを上げるが、上位陣には順位の変動はないままレースは終盤へ。その間、日本勢はじりじりとポジションを上げるものの、7周目に高星が左リヤタイヤのパンクのためリスボアでマシンを止める。

 ラスト2周、トップ4は2分10秒台のラップを刻みながらのハイレベルな争いとなるが、ラストラップにロゼンクビストがジョバナッツィに迫るも逆転はならず、結局ジョバナッツィがトップでチェッカー。ロゼンクビスト、レクラークの順にフィニッシュとなった。

 ところが、レース直後にジョバナッツィに対し、オープニングラップでの接触に対し20秒加算のタイムペナルティーという裁定が科せられ10番手に降格。繰り上がりでロゼンクビスト、レクラーク、シムスの3人が表彰台に上がることとなった。

 日本勢はレース後半にラップタイムも向上、良いペースを掴んだものの大きなジャンプアップは果たせず山下15位、関口16位、キャシディ17位に。金丸はラストラップに山側でウォールにヒットし、なんとか完走も20位に留まった。

 明日の決勝レースは15周。現地時間の午後3時30分のスタートが予定されている。

(田口朋典)