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停電で開始遅延のWECバーレーン予選。17号車ポルシェが3戦連続PPでタイトルに王手

2015年11月21日 05:51  AUTOSPORT web

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WEC最終戦バーレーン ポールポジションを獲得し、チャンピオン獲得に王手をかけた17号車ポルシェのトリオ
FIA世界耐久選手権(WEC)最終戦バーレーン6時間レースの予選セッションが行われ、17号車ポルシェ919ハイブリッドが、ただ1台1分40秒を切る圧倒的なタイムで3戦連続のポールポジションを獲得した。

 現地時間の17時から行われた予選セッション。日は完全に落ちており、コース脇に備え付けられた照明が、マシンを明るく照らし出している。

 まずはLM-GTEクラスの走行。96号車アストン・マーチン・レーシングを先頭に、各車がコースインしていく。しかし、先頭のマシンがインラップを終える前に、コースは真っ暗に……。なんとサーキッットの照明の大部分が落ちてしまったのだ。マシンにはヘッドライトが取り付けられているとはいえ、この状況で走るのは難しい。そのためセッションは赤旗中断。各車が全開走行を開始する前のトラブルだったのは、不幸中の幸いと言えるかもしれない。

 17時15分頃、ようやくシステムが復旧。徐々に照明が灯り始め、完全な明るさに戻った17時20分より、仕切り直しの形で20分の予選セッションが改めてスタートした。

 各車が最初のアタックを終えた時点でトップタイムを記録したのは、95号車のアストン・マーチン・レーシング。2番手と3番手にはAFコルセのフェラーリが、71号車、51号車の順で並んだ。92号車ポルシェ・チーム・マンタイが4番手に付けている。

 ピットインし、ドライバー交代を行った各車は、ふたり目のドライバーによるアタックラップへ。ここで速さを見せたのがAFコルセで、ジェームズ・カラドが乗り込んだ71号車AFコルセがトップに立つと、ジャンマリア・ブルーニがドライブする51号車AFコルセが2番手と、95号車アストン・マーチン・レーシングを差し置いてフロントロウを確保する。

 しかし、71号車はターン4でトラックから大きくはみ出していたとして、タイム抹消。再びのアタックを強いられることになってしまう。カラドは2度目のアタックで2番手を確保したかに見えたが、なんとこれもコースをはみ出したとして抹消されてしまい、71号車AFコルセはLM-GTEの13番手となり、95号車アストン・マーチン・レーシングがクラス2位を得ている。アマクラスのトップは、98号車アストン・マーチン・レーシングが記録している。なお、88号車アブダビ-プロトン・レーシングは1周もタイムを残すことができなかった。

 予定より20分遅れた17時50分からは、LMPクラスの予選セッション。ドライバーズランキングでトップにつける17号車ポルシェ919ハイブリッドが先頭でコースに飛び出していく。この17号車ポルシェ919ハイブリッドは、直前に行われたフリー走行3回目で圧倒的な速さを見せており、後続をどのくらい千切るのか、注目されるところだ。

 17号車の最初のドライバーは、ブレンダン・ハートレー。ハートレーだけが最初のアタックで1分40秒を切り、1分39秒802を叩き出して、2番手の18号車に対して0.5秒のアドバンテージを取った。アウディの2台が3番手と4番手で続き、トヨタの2台はその後ろといった形だ。LMP2クラスは、28号車G-ドライブ・レーシングがトップに立ち、36号車シグナテック・アルピーヌが2番手である。

 上位勢は1回のアタックを終えるとすぐにピットに戻り、17号車にはティモ・ベルンハルトが、18号車にはマルク・リーブが、7号車アウディR18 e-トロン・クアトロにはアンドレ・ロッテラーがそれぞれ乗り込む。時間はまだたっぷりとあり、各車あと2回のアタックができそうだ。トヨタの2台は長くピットに留まっている。

 17号車に乗り込んだベルンハルトは、ハートレーが記録したタイムを0.13秒上回り、平均タイムを1分39秒736としてトップを堅持。18号車のリーブも同等のタイムで走り、平均1分40秒100で2番手を確実なものとする。アウディ勢はやはり1分40秒を切ることができず、7号車も平均1分41秒303とするのがやっと。残り7分というところで、各車が再びピットイン。

 トヨタはアタックのタイミングを他車とは違え、1号車に中嶋一貴、2号車にステファン・サラザンを乗せ、コースに送り出す。しかし、トヨタの2台は共に平均タイムで1分42秒を切ることができず、5番手と6番手止まり。ポルシェとアウディは、結局共に3回目のアタックに出ることはなく、このまま順位が確定。17号車ポルシェ919ハイブリッドが3戦連続のポールポジションを獲得し、チャンピオンの可能性をグッと引き寄せた。

 なお、LMP2クラスは36号車シグナテック・アルピーヌが1分49秒993でトップタイム。26号車G-ドライブ・レーシングが僅差でこれに続き、47号車KCMG、28号車G-ドライブ・レーシングの順で予選を終えている。

 WEC最終戦バーレーン6時間レース決勝は、11月21日の日本時間21時(現地時間17時)にスタートが切られる。