ホンダF1プロジェクト新井康久総責任者は、ホンダとしてはマクラーレン以外のチームへのパワーユニット供給の可能性を否定しないと語った。マクラーレンが持つといわれる拒否権についてはコメントを避けた。
ホンダはマクラーレンのワークスパートナーとして2015年にF1活動を再開、現在のところ他のカスタマーチームとの契約は結んでいない。
来季パワーユニットが確定しないレッドブルがホンダに打診したことが10月に明らかになり、今週、Fox Sportsは、チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーはホンダが来年大きな進歩を果たす可能性があると考え、今も契約を諦めていないと報じた。
しかしマクラーレン側はホンダが新たなカスタマーチームと契約することに否定的で、レッドブルから打診があった段階で拒否権を行使したといわれている。
マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、ホンダを独占するのは自分たちの特権であると発言しており、「レッドブルは問題を抱えているが、それは他でもない、自分自身が引き起こしたことだ。我々は慈善団体じゃない。他人を助けるためにここにいるわけではないのだ」とレッドブルへの供給をはっきりと否定している。
しかし新井総責任者は、ホンダとしては他カスタマーチームとの契約の可能性がないとは考えていないと発言している。
「メディアで何が報じられているのかは承知しています。ですがホンダとしては、複数のチームに供給を行う可能性があり、それを念頭に置いてF1に参戦していると、シーズン最初から申し上げてきました」と新井総責任者が語ったとMotorsport.comが19日に伝えた。
「(マクラーレンの)拒否権についてはコメントできませんが、ホンダは常にオープンな姿勢で先のことを考えています」
F1の商業面を司るバーニー・エクレストンは、ホンダのF1参戦が決定した際のFIAおよびFOMとの取り決めでは、要望があれば2年目には2チーム、3年目には3チームに供給するということになっているが、マクラーレンのCEOロン・デニスがそれを阻んでいると語った。
しかしいずれにしても来季の供給拡大に関しては、時間的に厳しいとホンダは述べている。