第62回マカオグランプリの公式予選1回目で暫定ポールポジション獲得となったフェリックス・ロゼンクビスト(プレマパワー) F3世界一決定戦と称される第62回マカオグランプリは、11月19日に開幕。走行初日となった木曜にはプラクティス1回目と公式予選1回目が行われ、FIA F3ヨーロッパ選手権王者で、昨年のマカオウイナーであるフェリックス・ロゼンクビスト(プレマパワー)が、暫定ポールを奪った。
午前9時35分、F3にとって最初の走行となった40分間のプラクティス1回目が、曇天下でスタート。序盤はFIA F3ヨーロッパ選手権でランク2位のアントニオ・ジョバナッツィ(カーリン)が2分16秒630でモニターのトップにつけるが、午前9時49分にFIA F3ヨーロッパ選手権でランク3位のテディ・イップベンドでジェイク・デニス(プレマパワー)がクラッシュ。これで最初の赤旗中断となる。
セッションは午前9時55分にリスタート。このあたりからB-Max Racing teamの関口雄飛(B-Max Racing Team)、高星明誠(B-Max Racing Team)、ニック・キャシディ(トムス)、山下健太(トムス)ら日本勢もトップ10圏内の好タイムを刻み始めるが、午前10時03分にロゼンクビストが2分16秒522をマークしてトップタイムを塗り替えると、直後にジョバナッツィが2分14秒750で再逆転。ところが、午前10時03分にリスボアベンドでマシュー・ソロモン(ダブルR)が、その1分後にファラウェイでカラム・イロット(カーリン)が相次いでクラッシュしてしまい、再び赤旗に。
セッションは午前10時12分、残り3分で再開されたが、ラストラップにタイムアップするドライバーが多く順位が変動。結局トップタイムは2分13秒829をマークしたジョバナッツィが奪い、ロゼンクビスト、マーカス・ポマー(モトパーク)が2~3番手に。
気になる日本勢もラストラップにタイムを上げ、山下が2分15秒473で4番手、関口が2分15秒643で5番手、金丸悠(カーリン)が2分15秒926で6番手、キャシディが2分16秒454で7番手、そして高星が2分16秒606で9番手と、全員がトップ10圏内と好位置で最初のセッションを終えることとなった。
午後2時20分、オンタイムでスタートした公式予選1回目も40分間のセッション。徐々に雲が晴れて日差しが照りつけ、気温も30℃まで上昇する中、各車ピットアウト。
ここでもジョバナッツィが2分15秒161を刻んで、開始早々にモニターのトップに立つが、午後2時27分にロゼンクビストが2分13秒483で逆転。この頃、ドナマリアベンド立ち上がりでガードレールにヒットした関口は、なんとかピットに帰還し修復作業に入る。一方、金丸が2分14秒847で序盤2番手につける。
しかし、ロゼンクビストは序盤からプッシュし、午後2時29分に2分12秒735を刻んでトップタイムを更新。ジョバナッツィも2分14秒321とタイムを上げて2番手に浮上するが、ロゼンクビストはいったんピットインし戦況を見守ることに。
開始から10分が経過すると、ミケル・ジェンセン(ミュッケ)が2分13秒757で2番手に浮上も、これをジョバナッツィが2分13秒653、2分12秒824と好ラップを続けて再逆転。開始20分の段階では、ロゼンクビスト、ジョバナッツィ、ジェンセン、ポマーのトップ4がすべてピットに帰還することに。
ここからしばらくはトップ3に順位の変動はないままセッションが進むが、ラスト10分となったあたりで再び上位陣もピットアウト。午後2時50分には、ポマーが2分13秒741で3番手にポジションを上げるが、その1分後にはイロットが2分13秒497で3番手に浮上する。
しかし、背後の争いをあざ笑うかのように、ロゼンクビストは残り3分で2分12秒579にトップタイムを押し上げると、2分12秒663で2番手に浮上し追いすがるイロットを突き放し、さらに翌周2分11秒841と、ただひとり11秒台に突入。「昨年よりも僕のドライビングも進歩したし、ここで好タイムをマークするカギが見つけられたようだね。順調だよ」と語ったロゼンクビストが、そのまま暫定ポールを手にすることとなった。
3番手にはジョバナッツィ、4番手にサム・マックラウド(チームWEST-TEC)、5番手にDTMドライバーで2011年のマカオを制したダニエル・ジュンカデラ(フォーテック)が続いたが、このセッションでやや下位に沈んでいた日本勢の中にあって、関口がラストラップに2分13秒744を刻んで7番手と気を吐いた。金丸は12番手、山下は18番手、キャシディは20番手、高星は25番手で予選1回目を終えている。
土曜の予選レースのグリッドは、明日の公式予選2回目との総合結果によって決定される。
(田口朋典)