アメリカGPのオーガナイザーが今季開催料の支払いを行うことができず、F1商業面のボス、バーニー・エクレストンが期限の延長を行ったと報じられている。
本来3,300万ドル(約41億円)といわれる開催料金は、10月25日のグランプリ開催前に支払う必要があった。契約では主催者はグランプリ前に支払いを済ませなければならず、ヨーロッパ以外のフライアウェイイベントに関しては3カ月前の支払いが求められている。
しかしオースティンのオーガナイザーは、レース終了後になってもいまだに支払いを行っていないという。
「今年中の支払いでいいと知らせた」とエクレストンが述べたとAmerican Statesmanが伝えた。
「彼らは州から資金を受け取って(料金を支払って)いるのだが、それが遅れている。その影響で(我々への支払いも)遅れているのだ」
サーキット・オブ・ジ・アメリカズは、テキサスに大規模イベントを誘致することを目的に立ち上げられた国家基金から多額の資金を得てきた。現在、州政府からの支払いが遅れているのは、支援額の計算方法の変更が検討されているからだといわれている。
オースティンでのアメリカGPは、2012年にスタートして以来、開催料金を考慮して年間2,500万ドル(約31億円)を受け取っていた。しかし開催料金は1年ごとに10パーセントずつ上がっているものの、今年州は支援金の額を1,950万ドル(約24億円)に引き下げた。
金額が変更されたのは、州知事が変わり、F1招致を支持していた人物が去った影響だという。
サーキットチェアマンのボビー・エプスタインは先週、American-Statesmanに対し、レースを再び開催できるかどうかという問題には大きな疑問符がつくと述べた。
また今週彼は、「レース後に支払うこと自体は問題ないが、料金を支払えるだけの資金が入ってこなければ、支払いはできない」とコメントしている。
エクレストンは、「補助金が変更されればオースティンでのレースを続けるのは難しくなる」と認めたが、サーキットの財政問題は最終的には解決するものと考えている。
「この件を最初に担当した人間はすでにここにいない」とエクレストン。
「(当時の)州知事はいない。他の人間が責任者になったのだ。それでも彼らは合意した金額を払うべきだ」
「資金の状況を軌道に戻すことができると私は考えている」
一方、エクレストンはアメリカ国内の他のサーキットでのグランプリ開催についても検討しており、候補地はカリフォルニアであると考えられている。