写真 藤原ヒロシ氏が11月18日、アップル表参道で開かれたトークショー「デジタルメディアの未来」で、クリエイティブディレクター梶原由景氏とともに新デジタルメディア「リング・オブ・カラー(Ring of Colour)」を立ち上げたことを発表した。各分野に精通した人物を起用したメディアで、藤原氏や梶原氏も書き手として参加。最年少ライターとしてこれまで600本以上映画を見てきたという"小学生6年生の映画評論家"を抜擢するなど、人選にも注目が集まりそうだ。
藤原ヒロシの新メディアの画像を拡大 「リング・オブ・カラー」は、見たい、読みたい、知りたいと思う情報を集めて発信するデジタルメディア。立ち上げは、年始に60~70年代を特集したテレビ番組を見た藤原氏が「当時はプロフェッショナルや興味ある人々で構成されるコミューンから面白いものが発信されて少しずつカルチャーへと育っていったが、現在は面白いものの消費期限が短かすぎる」とSNSの存在について再考したことが出発点だった。「SNSの意見はなしにして、一方通行でマニアックな情報だけが存在するサイトがあれば」と新メディアの立ち上げを構想し、春から梶原由景とともにローンチに向けて動いてきたという。
新メディアは、16のカテゴリーに分けられ、各カテゴリーに見識のある書き手が情報を発信するというコンセプト。名称は「"集合体"というサイトのイメージから"リング"という言葉を使いたかった。様々な個性の集まる場でもあるため、個性という言葉を色に置き換えて"リング・オブ・カラー"と名付けた」という。オープン時には6名が参加しているが今後16名まで増やし、人選を変えることでメディアを"新陳代謝"させていくようだ。「新しい情報に対してアプローチするメディアが多いが、過去に対しても情報として提供していくということが既存のメディアと違う点。特にファッションの分野においてはアーカイブを沢山取り扱う予定で、そういったライターに依頼したいと考えている」と新メディアの特徴を解説した。
「ハニカム」を離れてから初のメディア立ち上げになるという藤原氏は、新メディアの展望について「カテゴリを増やすことはあるかもしれないが、メディアなので物販をやるつもりはない。将来的には蓄積されたアーカイブを都市ごとに整理できるようになれば面白いと考えている」とコメント。「デジタルメディアが進化しているが、このサイトは別の方向に存在するアナログ的なメディアだと思う。少しずれているかもしれないがこういう場所も必要で、楽しんでもらえるんじゃないかな」と語った。
■Ring of Colour