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オーバーテイクの少なさを危惧。変化を訴える声

2015年11月18日 19:30  AUTOSPORT web

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F1ブラジルGP決勝
F1ブラジルGPの決勝後、トップ3でフィニッシュしたニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテルの3人がレース中にオーバーテイクの機会が少なかったことに言及した。彼らはF1界全体での変化が必要だと訴えている。

 インテルラゴスで15日に行われたブラジルGP決勝。シルバーアロー2台による緊迫したトップ争いが展開されたものの、上位陣を含めて全体的に順位の入れ替わりが少なく、ピットストップでオーダーが変わる程度という単調なレースになった。これにはベッテルやハミルトンなどチャンピオン経験者も不満を持っているようで、それぞれの意見を述べた。

 全71周の約9割を3番手で走行し続けたベッテルは、現在のF1には空力性能の向上よりもタイヤの性能を上げ、メカニカルグリップを向上させることが、より多くのオーバーテイクの可能性を生み出すと考えている。

「もっとマシン同士が接近するためにはメカニカルグリップが必要なんだ。それを実現させるためにはもっと良いタイヤが必要だし、様々な場面でマシンがクイックに動いてくれないといけない」
「ドライバーたちはより高い次元の速さを求めている。解決策は非常にシンプルだと思うよ」

「残念ながら、政治的に事は進められている。異なる利益がさまざまな人からもたらされているんだ。ピレリは我々に公平にタイヤを供給してくれているが、パフォーマンスを最大限引き出すためには、もっと多くテストで走る必要ある。これらの問題点が解決されなければ、全体的な進歩は難しいだろう」
「グランドスタンドにはお金を払って観に来てくれているファンがたくさんいるけど、彼らがかわいそうだ」

 ハミルトンは、ブラジルGPでニコ・ロズベルグと接近戦のバトルを繰り広げたが、並びかけるチャンスはほとんどなく、終始チームメイトのペースに付き合うことになった。

「ファンにとっては観ていて刺激的なレースではなかっただろう」とハミルトン。
「F1のビックボスは彼らが正しい方向に進んでいるのか否か、決断をしなければならない。常にトップ争いが繰り広げられるレースが、皆が観たいものなんだと思う」

 また勝者であるロズベルグも、「後方でどんなバトルがあったかは分からないが、我々は“スポーツ“として変化し良くしていかなければいけない部分があると思う。今のF1で追い抜きを実現させるのは難しい。DRSが導入されてから、オーバーテイクの機会は増えたが、それでも足りないし、更なる努力を求められている」と変化の必要性を訴えている。

 ロズベルグの言うように、近年ではオーバーテイクの機会増加を狙うレギュレーション変更がいくつか試みられてきたが、各マシンの空力性能の進化が勝ってしまい、特に昨年から今年にかけてはコース上での順位の入れ替わりが減少してしまっている。
 今後F1は、また新たな“仕掛け”を投じていく必要があるのか?