「El Pais」誌は「Por qué el Estado Islámico odia a Francia(なぜイスラム国はフランスを憎悪するのか)」というタイトルで、欧米各国でフランスがテロに遭いやすい理由を検証している。
それによれば、フランス国内の識者の共通意見として、フランスがISをはじめとするイスラム過激派とは正反対の価値観を守り続けていることが、彼らの憎悪につながっているというものがあるようだ。
フランス社会党の政治家・ジャック・ラング氏は「ISは我々の価値観を攻撃しようとしている。我々とはフランスだけではなく民主主義、寛容、人間性といった18世紀の啓蒙時代に培われたヨーロッパ的価値観を持つすべての国を指す。それらの価値観は彼らの全体主義的なビジョンと対極にあるものだ。彼らは西洋のすべてを攻撃するが、中でもフランスはシリアでの軍事活動に参加しているだけでなく、1789年の革命の場所という点で、この価値観を象徴する場所だ」としている。
別の専門家は「特に世俗主義(政教分離)が挙げられるが、フランス人の共和制への愛着はイスラム原理主義と正反対のものだ」として、宗教思想の相いれなさがフランスへの憎悪につながっている面を指摘している。