映画『大地を受け継ぐ』が、2016年2月20日から東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。
同作は、16歳から22歳までの東京の学生たちが、福島第一原発から約65km離れた福島・須賀川で農業を続ける樽川和也と、その母・美津代に話を聞くドキュメンタリー映画。農作物出荷停止の通知が届いた翌日となる、2011年3月24日に自ら命を絶った農家の男性・樽川久志の遺族である和也と美津代が、生産者の罪の意識や葛藤、批判などに晒されながら農業を続けてきた4年間の軌跡を明かす。
メガホンを取ったのは、若松孝二監督に師事した経歴を持ち、坂口安吾原作の『戦争と一人の女』の監督を務めたほか、片嶋一貴監督『アジアの純真』の脚本などを手掛けた井上淳一。これまで北朝鮮の拉致問題や、原発と人の営み、戦争などの社会問題を扱ってきた井上が、ドキュメンタリー映画の監督を務めるのは『大地を受け継ぐ』が初めて。エンディングテーマはフラワーカンパニーズの“日々のあぶく”。なお同作は、2月6日から福島・フォーラム福島で先行上映される。