ルノーは、ブラジルGPでアップグレード版のパワーユニットを走らせた後、期待したパフォーマンス改善は見られなかったと認めた。しかしここで走らせたことは将来の開発プランに大いに役立つと述べている。
来季も新契約の下で提携関係を続けるとうわさされるレッドブルは、ルノーがトークンを入れて改良したパワーユニットをダニエル・リカルドのマシンを使ってデビューさせた。しかしリカルドは進歩は見られなかったと発言している。
19番グリッドからスタートし12位で走り切った(フェリペ・マッサの失格で11位を獲得)決勝の後、グリッドペナルティを受けて新仕様のPUに載せ替える価値があったと思うかと聞かれたリカルドは、「グリッドペナルティを受ける価値はなかったね。でも状況を見極めるという意味では価値があった」と答えた。
「(新しいPUは)特にメリットをもたらしていないと僕らは考えている。ルノーは最初からやり直す必要がある」
ルノーF1のディレクター・オブ・オペレーションズ、レミ・タファンも期待したような向上は確認できなかったと認めている。
「エンジンは高い信頼性を持って走ったものの、残念ながら期待したようなパフォーマンス改善を示さなかった」とタファンが述べたとSky Sportsが伝えた。
「同時に、トラブルなく走ったことでたくさんのデータを集めることができた。これを分析し、最終戦と冬季に臨む」
ルノーF1のマネジングディレクター、シリル・アビテブールは、データを大量に集められたことは今後の開発において大きな意味を持つと述べている。
「開発プランの次のステージに進む上でできるだけ多くの情報を集めることが我々にとって重要だった」
「アップグレードは信頼性を示した。今後パフォーマンスのポテンシャルをフルで発揮するために今週末集めたデータをチェックし、開発戦略を調整しなければならない」
その後、英AUTOSPORTは、ルノーがブラジルで投入したパワーユニットには、当初報道されたように11トークンではなく7トークンのみが使用されていたと報じた。
ルノーはロータスF1チームを買収して来季ワークスチームとして参戦する計画を進めているが、まだ最終的な契約は結んでいない。一方、現在のパートナー、レッドブル・レーシングとは新しい契約を結び直して来季もパワーユニットを供給するのではないかと考えられている。
レッドブルはエンジンが確定しないまま、来季F1のエントリーを行った。来年はルノーエンジンをノーブランドで使用するのではないかとうわさされ、ルノーとの再契約はアブダビで発表されるともいわれている。しかしブラジルGPにおいてアビテブールは、まだ確定したことではなく、ルノー社CEOカルロス・ゴーンが来季F1活動について決定した後にレッドブルとの契約について判断を下すと発言している。
Motorsport.comは、ゴーンは、ロータスチームの買収を含めた今後のルノーのF1活動について、近いうちに最終決定を下す見込みであると伝えている。