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王者ハミルトンを手玉にとったロズベルグが完勝/F1ブラジルGP決勝

2015年11月16日 03:41  AUTOSPORT web

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ハミルトンのプレッシャーにも動じなかったロズベルグがチームメイト対決を制した
2015年F1第18戦ブラジルGPは15日(現地時間)、サンパウロ郊外にあるインテルラゴス・サーキットで71周の決勝が行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポール・トゥ・ウインで今季5勝目となる通算13回目のトップチェッカーを受けた。

 前日の予選で5戦連続のポールポジションを獲得したロズベルグが、ブラジルGP初優勝を狙った王者ハミルトンとの一騎打ちを制し、前戦メキシコに続く2連勝を達成、最終戦を前にドライバーズ選手権2位を確定させた。

 快晴の予選から一転、朝から曇り空に覆われた決勝日のインテルラゴスは午後から雷雨の可能性も予想されていたが、午後2時のスタートはひとまずドライコンディションで迎え、雲の切れ間からは青空も覗いた。

 迎えた決勝のスタートでは、鋭い発進を決めたポールシッターのロズベルグがホールショットを奪うと、ロズベルグは2周目、4周目、5周目と立て続けにファステストラップを記録して2番手につけるハミルトンに1秒以上のギャップを開き、序盤のリードを奪った。後方では2列目スタートのセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンのフェラーリ2台が続くも、5番手には3グリッドの降格ペナルティで7番手からのスタートとなったウイリアムズのバルテリ・ボッタスが3列目スタートのダニール・クビアトとニコ・ヒュルケンベルグをスタートダッシュで交わし、以下フェリペ・マッサ、セルジオ・ペレス、マックス・フェルスタッペンというオーダーとなった。

 レースリーダーのロズベルグはハミルトンとの差を1.5秒まで広げながら快調なペースで走行。9周目に7番手のヒュルケンベルグから最初のピットストップが始まると、3番手のベッテルと同じ13周目にピットイン。4.4秒と多少長めのストップとなったが翌周ピットに入ったハミルトンからはポジションを守ることに成功、引き続きトップでレースを引っ張っていく。

 しかし、ミディアムタイヤのセカンドスティントでは、2番手のハミルトンがロズベルグとのギャップを徐々に縮めはじめ、1秒以内まで接近。DRSを開けたホームストレートではロズベルグのインを伺うなどプレッシャーをかけ続ける。だが、チームメイトのプレッシャーにも動じなかったロズベルグは、何度もコンマ6秒から8秒差で迫るハミルトンとのバトルに冷静に対処。約10周にわたるチームメイトのプレッシャーを退けると、逆に今度はハミルトンが「タイヤがもたない」とライバルのペースダウンを誘い、ふたりの差は一気に3秒以上まで拡大。ロズベルグが中盤以降も優位にレースを進めることになった。

 32周目、トップから10秒差で単独3番手を走っていたフェラーリのベッテルが上位勢で最初に2回目のピットに入ると、先行するメルセデス勢も戦略を安全策のプランBに変更して33周目にロズベルグからピットイン。続いてハミルトンがチームメイトを同じミディアムでつないで1-2態勢のままコースに復帰し、トップのロズベルグが再び2秒から3秒のギャップでハミルトンを従えながら周回を重ねることとなる。

 一方、なんとかメルセデスに食らいつきたいフェラーリ勢はベッテルにソフトタイヤを履かせて起死回生を狙うも、ハイペースで先行する2台のメルセデス勢にはついていくのが精一杯。3番手のベッテルはなんとか9秒の差で留まったものの、2ストップ戦略のキミ・ライコネンはズルズルとその差を広げられ、ベッテルと同様に単独で4番手を走ることとなった。

 先頭のロズベルグは終盤48周目に最後のタイヤ交換を済ませると、翌周ピットアウトしたハミルトンから再度猛プッシュを受けることになったが、ここでもハミルトンとの差をコントロール。一時はチームメイトの動向を気にするいつもの悪いクセもあったものの、この日の彼のドライビングは最後までハミルトンにつけ入る隙を与えないほぼパーフェクトな走り。終盤にはその差を詰め切れないハミルトンから「タイヤが終わった」と諦めモードの無線が飛ぶなど、最後までロズベルグがレースを支配した。

 そのままトップチェッカーを受けたロズベルグは、アルベルト・アスカリ(イタリア)とデイビッド・クルサード(イギリス)に並ぶ通算13勝目を挙げ、同時に今季のドライバーズ選手権2位も確定。昨年に続くブラジルGP連覇を達成し、喜びの笑顔をみせた。2位はハミルトン、3位にはロズベルグから最後14秒差をつけられたフェラーリのベッテルが入った。

 4位のライコネンまでがトップと同一周回でフィニッシュ。周回遅れの5位以下にはボッタス、ヒュルケンベルグ、クビアト、マッサ、グロージャンと続き、10位に入った17歳の新人マックス・フェルスタッペンが6戦連続のポイント獲得を果たしている。

 マクラーレン・ホンダは16番手スタートのジェンソン・バトンが15位でフィニッシュ、最後尾の20番手からスタートしたフェルナンド・アロンソも16位でレースを終え、トラブル続きの週末をなんとかダブル完走で締めくくった。なお、8位フィニッシュのマッサはタイヤの内圧に違反があったとしてレース後の審議対象になっている。