トップへ

F1ブラジルGP予選分析:取り戻した速さ、ロズベルグの自信

2015年11月15日 20:21  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)
チームメイト同士の争いとなったブラジルGPの予選はまたもニコ・ロズベルグがポールポジションを奪い、日本GPから続ける連続ポール記録を5に伸ばしました。

 今回もふたりの一騎打ちとなった予選は序盤のQ1とQ2こそルイス・ハミルトンがトップタイムを記録しましたが、最後のQ3ではロズベルグが逆転。前半のセクター1とセクター2で築いたリードで、今シーズン6回目のポールを勝ち取りました。

 これでロズベルグは2年連続のブラジルGP制覇に大きく前進したわけですが、今回のポール獲得はそれに加えて、彼自身のメンタルにおいても大きな自信につながるものでした。

 予選後のインタビューで彼はこう語っています。
「予選モードを改善するために懸命に取り組んできた。その結果が出てきているんだと思う」
「これまで予選が自分の弱点のひとつだと考えていた。それもあってルイスは今年のタイトルをつかむことができた。いつも僕(の弱点)が助ける形になって彼がポールについていたわけだから……。(予選パフォーマンスの改善を図ることができて)満足している」

 昨年のタイトル争いでは最終戦で惜しくも敗れたものの、シーズンを通した予選結果では11回のポールポジションを獲得(ハミルトンは7回)。予選の速さではチャンピオンのハミルトンを完全に上回っていました。
 しかし今シーズンは決勝でのパフォーマンスを重視するあまり、予選の速さに陰りがみえ、逆に一発の速さに磨きをかけたハミルトンが土日を通してロズベルグを圧倒、独走で2年連続の王座を手にする結果となりました。

 それだけにロズベルグとしては5戦連続でポール獲得を果たしたことで、本来の強さを取り戻せたという確かな自信を手にすることができました。
 2年連続でチームメイトにタイトルを奪われているロズベルグとしては、来年2016年シーズンは正念場。来季、自身初の王座を手にするためにも、予選と決勝でハミルトンを打ち負かさなければならないのです。

 もちろん、日曜の決勝も2番グリッドのハミルトンを抑えきって勝つことがロズベルグに課せられた最大の仕事です。初日のロングランではロズベルグとハミルトンとも両者ほぼ互角で、ライバルのフェラーリよりも確実に速いペースを記録しているので、昨年同様のマッチレースになることは避けられません。

 ちなみに昨年のレースでは、路面温度が55度に迫るという非常に熱いコンディションのなか、ピットストップでの逆転を狙ったハミルトンがタイヤの限界までプッシュしたことでスピン。これが決定的な要因となり、ロズベルグがポール・トゥ・ウインを決めました。

 予選後にピレリが発表したデータによれば、昨年よりもタイヤの摩耗とデグラデーションのレベルが低く、71周の決勝は2ストップが理論的には最速とされています。ただ、日曜午後のサンパウロは、にわか雨または雷雨の予報で降水確率も50パーセントを超えているので、ひょっとしたら雨がらみのレースになる可能性も。そうなった場合、ポールシッターのロズベルグはさらに難しい戦いを強いられることになりますが、そうしたコンディションでの強さも勝者の条件。

 迎える日曜の決勝、ロズベルグがどんなレースを繰り広げるのか、注目したい。

(F1速報)