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関ジャニ∞が発する“成熟期”の魅力 エネルギッシュな最新作から読み解く

2015年11月15日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

11月11日に関ジャニ∞の最新アルバム『元気が出るCD!!』が発売された。自主レーベルINFINITY RECORDSより2作目となる今回のアルバムは、“元気”がテーマ。今年7~9月に行なわれた全国アリーナツアーで、多くのファンから“元気”をもらったことから考案されたという。サンボマスター、OKAMOTO'S、KANA-BOONといった人気アーティストが楽曲を提供したことでも注目を集めており、ロックからバラードまで、様々なテイストの楽曲で聞く人に元気を届ける作品になっている。安田章大が「人間らしさがとエネルギーが詰まっている。今グループの持ってるエネルギーがたくさんあるからかな」と、ラジオ番組で語っていた通り、まさに関ジャニ∞の成熟期を感じる1枚だ。


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 そして「このアルバムタイトル、どこかで聞き覚えがあるな」と思った方もいるのではないだろうか。そう、日本テレビ系で85~96年に放送された『天才・たけしの元気が出るテレビ』である。“熱湯コマーシャル”や“早朝バズーカ”など、体を張った新鮮な笑いを生み出した伝説のバラエティ番組だ。その総合演出を手がけていたテリー伊藤が、今作の特典映像の監修を務めることになった。


 もともと関西出身であることから、ジャニーズ内でもお笑いセンスには定評のある関ジャニ∞。MVでも遊び心たっぷりの演出を見せてきたが、なかでも今回はかなりレベルが高い。初回盤Aの特典映像は『元気が出る夏休みin北海道』と称し、7人全員で稚内から札幌ドームを目指す旅に出かけた。バーベキューや温泉、ツーリングを楽しむ姿が微笑ましい。そんな男旅をきっかけに、安田章大→渋谷すばる→村上信五→錦戸亮→横山裕→丸山隆平→大倉忠義と、リレー形式で作詞作曲を手がけた『元気が出るSONG』を制作。


 メンバー同士の絆、ファンヘの思いが綴られており、それぞれのパートが分かれているので、一人ひとりの個性を感じながら聞けるのがうれしい。またテレビ番組のインタビューで、横山裕、錦戸亮はそろって「自分のところを語るのは恥ずかしい」と照れていた。それほど、素直な思いが込められているのだろう。制作当時のことを大倉忠義は「今メンバーがこんなことを考えているんだと思いながら、リレーを受け取った」と語っており、一連のアルバム制作を通じて、グループとしての団結力はさらに増したように見える。しかも、その裏舞台に密着したドキュメントも収録されているというのだから、ファンは見逃せない。


 そんなグループの結束力を試すかのように、初回盤Bには『元気が出る運動会』として、テリー伊藤のムチャぶりが炸裂。新聞取材によると、その苛酷さは村上信五が「想像のはるか上を行くできごとの連続」と振り返り、テリー伊藤「関ジャニ∞の今までにない面白さと楽しさ、バカバカしさが出たと思う」と自信を覗かせたほど、手応えを感じている様子。奮闘する7人の姿に、まさに笑いと元気をもらえるはずだ。


 錦戸亮が、テレビ番組のインタビューで「元気になってほしいなというのもありますし、僕ら自身も歌っていて元気になれる曲ばかり」と語ったように、このアルバムの一番の魅力はメンバーが今作の制作過程そのものを楽しんでいるところだ。渋谷すばるも「今の関ジャニ∞のできるすべての表現がつまっている作品。過去最高傑作」とまっすぐに答えるほど、全身全霊が込められた今作。アツくて、泥臭くて、アホなことも全力で楽しむ男たちによる、大人の遊びを一緒に楽しんでみてはいかがだろうか。(佐藤結衣)