トップへ

スーパーGT第8戦:GT300はTOYOTA PRIUS apr GTが予選制圧。CR-Zは痛恨のスピン

2015年11月14日 17:00  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

GT300クラスのポールポジションを獲得したTOYOTA PRIUS apr GT
スーパーGT第8戦は14日、ツインリンクもてぎでノックアウト方式の公式予選が行われ、GT300クラスはTOYOTA PRIUS apr GTが1分59秒台目前のラップを刻みポールポジションを獲得した。2番手にGAINER TANAX SLS、3番手にグッドスマイル 初音ミク SLSとメルセデスSLS勢が続いている。

 朝から雲が広がり、雨が降ったり止んだりの天候となっている予選日のツインリンクもてぎ。気温13℃、路面温度15℃というコンディションで、ウエット宣言のもと、公式予選Q1がスタートした。

 セッション開始とともに、各車続々とコースイン。午前中の公式練習でクラッシュがあったVivaC 86 MC、公式練習中にガレージで作業を行なっていたGAINER TANAX SLSもQ1に出走している。また午前中トップタイムを記録したTOYOTA PRIUS apr GTはセッション開始後もガレージで作業を行なっていたが、すぐにコースインを果たしている。

 各車がウォームアップ走行に入っていくタイミングで、サーキットには再び雨が降り出しはじめる。ここではシンティアム・アップル・ロータスの高橋一穂が1コーナーでスピンしたほかはアクシデントなどはなく、各マシンとも入念にタイヤを温めていく。計測1周目ではSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が1分58秒293でトップタイム。2番手にStudie BMW Z4、、以下、Excellence Porsche、GAINER TANAX GT-Rと続いていく。

 計測2周目にはPRIUSの中山雄一が1分58秒264を記録しトップにたったが、直後に前戦オートポリスでチャンピオンを確定させたGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クートが1分57秒469でトップの座を奪っていく。しかし、その後ろからアタックしていたARTA CR-Z GTの高木真一が1分56秒905で塗り替えると、PRIUSが1分55秒台目前の1分56秒223を記録する激しいアタック合戦が繰り広げられた。

 その後、PRIUSのタイムを上回るマシンはなくそのままチェッカー。中山がトップタイムでQ2進出を果たしている。2番手にARTA CR-Z、3番手にGAINER GT-R、4番手にGAINER SLSと続いている。

 一方、Q2進出のボーダラインである13番手争いは白熱。14番手以下につけていたマネパ ランボルギーニGT3の織戸学が5番手までポジションをあげると、ケーズフロンティア Direction 458も9番手まで浮上していく。しかし、前戦で勝利したB-MAX GT-R、同じく前戦で表彰台を獲得したStudie Z4は13番手のExcellence Porscheのタイムを上回ることができず、Q1で敗退することとなってしまった。

 GT500クラスの予選Q1中に雨脚が強まり、Q2は雨量が多い状態でスタートを迎える。セッションスタートと同時に続々とコースインしていくが、ARTA CR-Zの小林崇志が2コーナーの立ち上がりでコースオフ。そのままグラベル奥の芝生エリアまで進んでしまったが、マシンにダメージを負った様子はなく、無事にコースへ復帰している。

 アウトラップ終了間際、TOYOTA PRIUS apr GTがピットイン。想定より雨量が多かったのか、タイヤを4本交換しコースアウトしていった。その後、ARTA CR-Z、SUBARU BRZなどもピットへ戻りタイヤを交換。CR-Zはリヤタイヤのみを交換しピットアウトしていった。

 一方、VivaC 86 MCの土屋武士やGAINER SLSの平中克幸、初音ミクSLSの片岡龍也などは周回を重ね、アタックを継続。セッション残り4分30秒を切ろうかというタイミングで初音ミク SLSが2分02秒752でトップタイムをマーク。直後にGAINER SLSが初音ミクを約0.2秒上回り、トップを奪った。しかし、タイヤを履き替えウォームアップを終えたTOYOTA PRIUSがGAINER SLSを2秒近く上回り、1分59秒台目前の2分00秒602を記録しトップに立った。

 雨脚は弱まるどころか強まっているようで、特に90度コーナーからビクトリーコーナーにかけての区間は大きな水たまりができているような状態に。ここで初音ミクSLSやマネパ ランボルギーニ、ARTA CR-Zなどが続々とコースオフやスピンしてしまう。これ以上のタイムアップは難しいと判断したのか、ヨコハマタイヤを装着するマシンを中心に続々とピットへ戻ってしまったが、ブリヂストンタイヤを履くTOYOTA PRIUS、ARTA CR-Zは走行を重ねていった。

 タイムアップが難しいコンディションのなか、唯一アタックを行えていないARTA CR-Zは果敢にアタックを継続。最終ラップではセクター1、セクター3とベストタイムを記録していたが、水たまりのある最終セクターでバランスを崩しスピン。そのままグラベルへ捕まってしまいポジションアップを果たすことはできなかった。

 この結果、GT300クラスはTOYOTA PRIUSが第2戦富士以来のポールポジションを獲得。2番手にGAINER SLS、3番手に初音ミク SLSとコースと相性のいいメルセデスSLS勢が続き、予選4番手はVivaC 86 MCとなっている。

 開幕戦岡山などウエットコンディションで高いポテンシャルを発揮するTOYOTA PRIUS apr GTが、午前の公式練習から速さをみせる形となった今回の予選日。ドライバーの嵯峨や中山は「テストではドライでもウエットでも速かった」と語る通り、明日の決勝も速さをみせそうだ。しかし、すぐ後方には、GT300クラスで最もブレーキングに定評のあるメルセデスSLS勢が続いているほか、PRIUSは前戦オートポリスでスタート直前にトラブルが発生しているため、不安要素も残っていると言えそうだ。

 15日は9時より30分間のフリー走行が行われた後、13時40分より53周の決勝レースが行われる。