スーパーGT第8戦は14日、栃木県のツインリンクもてぎで公式練習が行われ、GT300クラスはTOYOTA PRIUS apr GTがトップタイムを記録。2番手にマネパ ランボルギーニ GT3、3番手にGAINER TANAX SLSと続いている。また、今大会がGT300クラスのラストレースとなるCR-Z GTは5番手につけている。
いよいよシーズン最終戦を迎えた2015年のスーパーGT。第8戦もてぎは前日からの予報通り、朝から雨が降る天候となり、ウエット宣言のもと、8時50分に公式練習がスタートした。なお、気温、路面温度はともに12℃となっている。
セッション序盤は各車とも2分01秒~04秒台での走行となるが、セッション開始から10分過ぎ、昨年王者であるグッドスマイル 初音ミク SLSの片岡龍也が1分58秒706でまずは2分を切るタイムを記録。その後、ポイントランキング2位の座を争っているTOYOTA PRIUS apr GTの嵯峨宏紀も2分を切るラップを刻んでいった。2分台の3番手にはGAINER TANAX GT-Rのアンドレ・クート、4番手にB-MAX NDDP GT-Rの星野一樹と続いている。
セッション20分を過ぎたあたりからAudi R8 LMS ultraのリチャード・ライアンや星野一樹、ARTA CR-Z GTの高木真一など、1分50秒台へ突入するマシンが増え始める。ラップボードのトップには一時Audi R8がつける場面もあったが、直後にPRIUSが1分56秒257を記録。トップの座を奪い返している。その後もGAINER TANAX SLSや初音ミク SLSなどが1分56秒台に突入したものの、PRIUSのタイムを上回ることはできなかった。また、セッション開始から30分が経過しようかというタイミングで、マッハ車検 with いらこん 86c-westがダウンヒルストレートエンドでスロー走行。駆動系にトラブルがあったようで、そのままピットにマシンを入れてしまっている。
その後は1コーナーからホームストレートにかけて霧がかかることもあったが、クラッシュなどの混乱はなく、各車とも順調に走行を重ねていく。しかし、セッション残り時間が35分となろうかというタイミングで、3番手タイムを記録していたGAINER SLSがガレージイン。駆動系などにトラブルが発生したのか、メカニックたちがマシンの下に潜り込み作業を行っている。
この時点でのトップは、嵯峨からドライバー交代した中山雄一が操るPRIUS。1分55秒954というタイムを刻んでいる。以下、マネパ ランボルギーニ GT3、GAINER SLS、初音ミク SLSとなり、2番手以下をFIA GT3勢占める形となっている。
セッション残り23分のタイミングで、90度コーナーを立ち上がったVivaC 86 MCがバランスを崩し、イン側に巻き込むような形でスピン。そのままイン側のタイヤバリアに接触しストップしたため、赤旗が掲示された。なお、VivaC 86は空力パーツを破損したのみで、すぐに走行を再開。そのまま自力でピットへ戻っている。
赤旗掲示から約5分後にGT300クラス専有走行としてセッションは再開。各チームが続々とコースインしていく。この専有走行では雨は止んだものの、路面は乾いておらず、ARTA CR-Z GTが1分57秒101で5番手に浮上したほかは、大きくポジションをあげたマシンは現れなかった。最終的にPRIUSがトップを維持したままセッションは終了した。なお、そのPRIUSは専有走行終了直前に3コーナーでコースオフ。マシンがグラベルに捕まってしまい、チェッカーを受けることなくセッションを終えている。
2番手にはマネパ ランボルギーニ GT3が続き、以下、GAINER SLS、初音ミク SLS、ARTA CR-Zとなっている。今季、圧倒的とも言える速さをみせているGT-R勢は、B-MAX GT-Rが9番手となり、前戦オートポリスでチャンピオンを獲得したGAINER GT-Rは19番手に終わっている。
ウエットコンディションとなった公式練習では、雨の開幕戦で勝利したPRIUSがセッションを制圧。また、ストップ&ゴーレイアウトのもてぎと相性のいいSLS勢も3番手、4番手につける形となったが、3番手GAINER SLSは駆動系にトラブルが発生しているようで不安が残る。また、GT-R勢はB-MAXの9番手が最上位。チャンピオンのGAINER GT-Rは19番手と下位に沈んでおり、こちらも予選に向けてセットアップなどの変更に追われそうだ。明日の決勝は普段より50kmほどレース距離が短いことから、これまで以上に重要な戦いとなる予選は、このあと14時にスタートする。