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想田和弘監督の「観察映画」新作、過疎の町の苦境映す『牡蠣工場』

2015年11月13日 22:00  CINRA.NET

CINRA.NET

『牡蠣工場』ティザーチラシビジュアル ©Laboratory X, Inc.
想田和弘監督の新作映画『牡蠣工場』が、2016年2月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

同作は、撮影前に台本を作らず、音楽やナレーション、テロップなどを用いない「観察映画」の手法で制作されたドキュメンタリー作品。想田監督は同手法によって『選挙』『精神』『PEACE』『演劇1』『演劇2』などをこれまでに制作している。

『牡蠣工場』は瀬戸内海に臨む岡山・牛窓の牡蠣工場を追ったドキュメンタリー。作中では、東日本大震災で家業の牡蠣工場が壊滅的打撃を受け、宮城・南三陸から同地に移住して工場を継ぐことになった男性にフォーカスし、彼の工場が初めて2人の中国人労働者を迎え、言葉や生活習慣の違いなどに直面する様が映し出される。

今年の『ロカルノ国際映画祭』に正式招待された同作は、牡蠣工場という小さな世界からグローバル化や過疎化、第一次・第二次産業の帰郷、移民問題、震災の影響といった問題を映し出し、各国の批評家から高い評価を獲得したという。