悪質なブラック企業はさっさと辞めてしまうのが吉だが、転職してもなおしつこく嫌がらせをしてくる会社もあるようだ。11月12日、システムエンジニアという男性がツイッターに興味深い投稿を寄せている。
以前勤めていた会社で「退職後嫌がらせ」があったというもので、その会社では退職した社員と仲の良かった同僚を利用し、転職先を聞き出させていた。そして転職先に電話をして「あることないこと」を伝えていたという。結局、試用期間中だったので、その社員は解雇されてしまったのだそうだ。
「転職先へ電話して、内定を取り消してもらおうか?」
せっかく新しい職場に移ったのに、前職のブラック企業からの嫌がらせで全てダメになるというのは何ともやるせない。この会社では、似たような嫌がらせを度々やっていたという。
これが話題になり、ツイッターでは7000件以上リツイートされた。「ゾッとする話ですね」「罪に問えるレベル」などと非難するものがほとんどだが、意外にも「あるある」という反応も寄せられた。
ある人物が以前働いていた会社でも似たような嫌がらせがあり、同僚の転職先に社長が乗り込んで「引き抜きされた」などと文句を言ったことがあった。その同僚は前もって転職先に前職のブラックさを伝えていたので、社長も門前払いされて事なきを得たという。こちらもひどい話だ。
ネット上には、こうした事例が他にもあった。ヤフー知恵袋には転職が決まったところ、会社から「転職先へ電話して、内定を取り消してもらおうか?」と脅しを受けたという人が相談を寄せている。転職先からは「前いた会社とのトラブルは勘弁して下さい」とも言われており、まさに板挟み状態のようだ。
「事前に転職先に嫌がらせの電話があるかもしれないと話しておくべきか、もしくは転職先には何も言わず連絡されないことを祈るかで悩んでいます」
嫌がらせの目的は「中の人へのアピール」か
そもそもブラック企業は、なぜ辞めた人にまで干渉してくるのだろうか。まず考えられるのが「自分の会社を辞められて悔しいから」という理由だ。この場合は辞めた人に嫌がらせをして、純粋に鬱憤を晴らしたいということになる。
だが、最もありそうなのが、今現在そのブラック企業で働いている従業員への「見せしめ」だろう。ブラック企業では人件費を削るために、必要最小限の人数で仕事を回しているところも少なくない。
一人でも欠けたら困るので、「もし辞めたら転職先まで追いかける」というところを見せつけ、従業員をビビらせているとも考えられる。ネットにも「中の人へのアピールだろな」という見方が出ていた。
いずれにせよ、ブラック企業を辞めるときは「転職先を教えてはいけない」というのが鉄則のようだ。冒頭のツイッターユーザーも、
「ブラックからの転職時は転職先を伝え無い方がいいね」
「大事なことかつ実話何で(原文ママ)どっかの誰かの参考になればw」
と投稿していた。
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