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→Pia-no-jaC←が見せた“もう一つの顔”ーー新曲も初披露したファンクラブ限定イベントを見た

2015年11月13日 17:31  リアルサウンド

リアルサウンド

ファンクラブ限定イベント『TRICOLORE』の様子。

 →Pia-no-jaC←が、11月7日に東京・下北沢GARDENで、ファンクラブ限定イベント『TRICOLORE』を開催した。


 彼らのファンクラブ『ジャックと豆の木』の会員を対象に行われた同イベントで、HAYATOとHIROの二人は、普段のクールなライブとは対照的な、コミカルでエモーショナルなパフォーマンスを披露。アットホームな雰囲気のなかで、→Pia-no-jaC←の新たな一面を見ることができた。


 また、今回のイベントは東名阪それぞれ3カ所で開催しており、大阪公演は「赤」、名古屋公演は「白」、東京公演は「青」と、タイトルにちなみ、それぞれ3色のカラーでドレスコードを指定。この日は思い思いの青を身に着けた観客を前に、2人は青いつなぎ姿で登場。1曲目の「PEACE」では、早くも多くのファンが諸手を挙げ、会場が揺れていた。


 その後「ドナウ」を演奏した→Pia-no-jaC←は、MCでHIROが「2015年11月7日、下北沢GARDEN。今宵は東京がブルーに染まる日。青はHAYATOの青、青は壮大で美しい。そんな青の夜は月がよく似合う」とムーディーな語りを入れ、この日にぴったりの楽曲である「bluemoon」を演奏。続く4曲目「ノクターン」の演奏前には、再びHIROが「2015年11月7日、下北沢GARDEN。今宵は東京がブルーに染まる日。青は進め。青信号はなぜ緑色なのに青と呼ぶのか」となぜか信号に関する豆知識をシュールに述べ、観客たちはくすくすと笑っていた。


 5曲目「風雅」を演奏した→Pia-no-jaC←は、続けて「青い曲」と前置きし、「剣の舞BLUE」を披露。ここでHIROはダンボールで包丁風にデコレーションしたスティックでシンバルを叩き、観客がざわつき始めると、即座に舞台袖へと掃け、某大作映画のキャラクターを白鳥パンツ風に纏った衣装と、青いライトセーバーを手にして戻り、客席からは笑い声と悲鳴が同時に巻き起こっていた。再び舞台袖へ掃けたHIROは、続けて全身をダンボールとアルミホイルでコーティングし「HIRO2-D2」として登場。その姿で演奏を試みるものの、次第に剥がれ落ちるダンボールに、観客やHAYATOは笑いを堪え切れない様子だった。


 曲が終わると、HAYATOは観客に向かって「今日、初めて→Pia-no-jaC←のライブを見た人?」と質問。十数人から手が挙がったのを見たHAYATOは「普段はちゃんとやってますからね」と弁解し、HIROがこれに「今が真面目にやってないみたいやんけ」と指摘するが、HAYATOは「ダンボール作ってる時が一番キラキラしてるやん」と鋭いツッコミを入れた。


 2人はここで気を取り直し、12月9日に13thアルバム『BLOOD』をリリースすると改めて告知。その後、HAYATOは「みんなに一番先に聴いてもらいたいと思って。初出しの曲も2曲あります」と述べ、ムーディーでスロウな「TASOGARE」と、跳ねるようなテンポが特徴的な「BLUE BLOOD BOOGIE」、イタリアの景色が目に浮かぶような、洗練されたサウンドの「Sicilia di mare aperto」をそれぞれ披露した。


 新曲の披露後、HAYATOは「(その前の段ボールアートと)温度差がすごい! 新曲を披露するのはいつでも緊張するね。誰かが『プロポーズと同じ』て言っていた気持ちがわかります」と、新曲披露に対するプレッシャーを語った。


 ライブ終盤は、「アイネクライネ」、「METROPOLIS」、「Jack」と、人気曲を次々にプレイ。とくに最後の楽曲である「Jack」では、HIROが「行けるかジャッカーズ!」と観客を煽り、エモーショナルな演奏と客席からの歓声が一体となっていた。


 →Pia-no-jaC←のコミカルな部分とクールな演奏を同時に味わえた今回のライブ。HIROの段ボールアートも回を重ねるごとに進化しているため、今後どのような大作が生み出されるか期待は高まるばかりだ。(中村拓海)