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西島秀俊、結婚後も人気衰えない理由は? エピソードからにじみ出る人の好さ

2015年11月13日 12:41  リアルサウンド

リアルサウンド

『無痛~診える眼~』公式ホームページより

 人気俳優の結婚がショックで会社を早退するというネタは、福山雅治の「ましゃロス」ですっかり根付いたが、こうした現象(が本当にあるのか否かはおいといて)は、もとはと言えば、西島秀俊の結婚時に盛り上がったものだったと思う。


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 しかし、今やそんなショックはすっかり癒えて、西島は結婚前と変わらぬ活躍を続けている。というのも、西島は結婚した2014年11月以降も、連続ドラマ『流星ワゴン』(2015年1月~3月)、映画『脳内ポイズンベリー』(5月公開)、スペシャルドラマ『レッドクロス~女たちの赤紙~』)(8月1日・2日)、連続ドラマ『無痛~診える眼~』(10月~)、映画『劇場版 MOZU』(11月公開)と、ひっきりなしに出演し続けている。変わらぬ活躍は、結婚したなんてことはどうでもよくなる効果があるのではないだろうか。


 西島はCMにも多数出演している。そのキャラクターはインスタントラーメンを家で食べたいと願う恐妻家(日清ラ王)であったり、GACKTや道端姉妹にお金持ちの極意を聞く平凡な男(10億円BIG)、なんでもないふだんを大切にできる男(パナソニック)、綾瀬はるかにちょっとからかわれる西島本人キャラで出演した(全自動DIGA)など、とにかく人の好さと素の表情が際立つものが多い。


 また、こうしたCMのキャラクターは映画やドラマの宣伝でバラエティ番組に出演するときの本人のキャラクターとも重なる。TBSのバラエティ『モニタリング』に11月5日に出演した際には、香川照之とともに浅草に出没し、町のファンの好き勝手な言動にも穏やかでニコニコ対応していた。また、『MOZU』シリーズのようなハードな作品にも出演しているが、この映画で共演のビートたけしとともに『王様のブランチ』に出演していたときには、「完成度があがっているが、完成に近づく前に一回折れて、また完成してほしい。まっすぐ行かない方が味になるのでは」とたけしに言われ、「次の日の現場のことを考えずに飲んだくれるとか……」と言いつつも「でもなー、つらいしなー」と悩む西島の姿は、CMで見せる表情そのままに見えた。


 昨今は、アイドルでもソロで活躍するよりも、仲間がいて関係性が見えることでより人気を得るということも多いが、西島もチームやグループこそないが、前出の香川照之や、伊藤淳史といった何度も共演してきた “相棒”や“仲間”がいることで、関係性を感じさせることに成功していると言っていいだろう。また、西島は、前出のビートたけしの映画『Dolls』にも2002年に出演しているが、その際に長年たけしの大ファンであったものの、その思いを言わずにやせ我慢していたことを、ラジオ『たまむすび』(2015年1月16日、11月5日)に出演の際に語り、玉袋筋太郎に絶賛されていた。“たけし愛”を語る西島は普段よりも饒舌で心の底から楽しそうである。こうした、“良い”ホモソーシャルエピソードは、女性だけでなく男性からも好感を持たれるだろう。


 ここでふと思い出したが、こうして今の西島秀俊のことを書いていると、結婚前のあの「交際相手に求める7箇条」とは何だったのかと考えてしまう。今になってあの「7箇条」を読み返すと、西島は交際相手に男のわがままを許せと言っているようにも見えない。西島は、自分の趣味や仕事の領域に入ってくるなとは言っているが、女性に自分のケアやサポートの役割をしてくれとはまったく言っていない。むしろ、「目標を持ち」「いつも一緒を求めない」など、女性も自分の趣味を持って自立してほしいと言っているのではないか……と思えてくるが、それは良く解釈しすぎだろうか。


 しかし、『美女たちの新年会~しゃべりまくって幸せになっちゃうぞSP~』(2015年1月4日)という番組で、タレントのヒロミが、西島本人から「7箇条」の中の「一か月半会話なしでも我慢すること」について、「実際に仕事でそういうことがあるから言っただけである」と聞いたと語っていた。これが事実かどうかはもはやどうでもいい。あれだけ「7箇条」が世間を独り歩きしたにも関わらず、どこでも反論するでもなく、淡々と事実をヒロミに語ったという西島のエピソードを聞いて、「やっぱり西島さんは好い人に違いない……」と個人的には確信したのだった。(西森路代)