レッドブル・レーシングは遅くとも最終戦アブダビGPまでには、2016年もルノーのパワーユニットを搭載してF1に参戦することを発表する見通しであるとSky Sportsが伝えた。
4年連続でドライバーズ&コンストラクターズタイトルを獲得してきた両者だが、昨年からのルノーのパワーユニットの性能にレッドブルは強い不満を表し、今季末での契約解除を申し出た。しかしその後、代わるエンジン契約を他のマニュファクチャラーと結ぶことができず、結局はルノーと新契約を結ぶことでF1活動を続ける方向になったと、今週英Autosportが伝えていた。
Sky Sportsも12日、レッドブルは来年もルノーエンジンを搭載する見通しであり、新契約の下でノーブランドあるいは別の名称でエンジンを使用すると報じた。これによりレッドブルは独自のプログラムでエンジンを開発していくことができるという。両者の発表は遅くともアブダビGPまでにはなされる見込みだと伝えていたSky Sportsだが、その後、別記事にて、レッドブルは来年ルノーのパワーユニットをノーブランドの扱いで使用することをアブダビGPで発表する見込みだとも伝えている。姉妹チームのトロロッソは1年落ちのフェラーリPUを使用することになると考えられている。
ブラジルGPでレッドブルのダニエル・リカルドはルノーの最新仕様のパワーユニットを初めて使用する。
ルノーは今季使用できる12トークン中11を使って開発したパワーユニットをアメリカGPに向けて用意していた。しかしこれを搭載する場合、グリッド降格ペナルティを受けなければならないため、レッドブルとトロロッソはアメリカ、メキシコ共に新パワーユニットを導入しなかった。
しかしレッドブルはブラジルでリカルドのマシンを使って最新仕様のパワーユニットをデビューさせることを決めた。これによりリカルドはグリッドを10位降格される。
ルノーにとってこの最新版パワーユニットは来季のベースとなるものであり、リカルドはこれを試すことで来年の方向性が見えてくるかもしれないと発言している。
「僕らレッドブルはまだ来年どうするか決めていない」とリカルド。
「今週末、ポジティブな要素、来年に向けて前進させられる要素が見られるなら、僕らにとって選択肢のひとつになり得る。僕らの方向性がはっきりするかもしれない」
「今シーズンも残り2戦。僕らは何かを賭けて戦っているわけでもないし、ここは表彰台が期待できるようなサーキットではない」
「だからトライしてみても何も失うものはない。何かがはっきりするかもしれないし、答えが見つかるかもしれない」
ルノーの新パワーユニットはラップタイム上は0.14~0.16秒の向上にとどまるといわれている。
「ルノーによると、ラップタイムに関してはさほど大きな向上はないということだ。0.1秒から0.2秒だという。彼らがそう言うなら、おそらく0.1秒くらいなのだろう」とリカルドは言う。
「でも僕としてはドライバビリティの方に興味があるんだ。今年、少なくともドライバビリティはかなりよくなった。最初の5、6戦はかなり問題だったんだ」
「ある程度扱いに慣れてきているし、ドライバビリティで一歩前進すれば、二歩進歩したように感じるだろう。このエリアで向上を見つけられるといいね」