世界ラリー選手権(WRC)で3年連続のドライバーズタイトルを獲得したセバスチャン・オジェ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)は、明日本格的な競技がスタートする今季最終戦ラリーGBで、イギリス人ドライバーのクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)とエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタRS WRC)を警戒していると語った。
昨年のラリーGBでエバンスは総合5位、ミークは総合6位という結果だったが、今年はミークが第4戦アルゼンチンで初優勝、エバンスも第11戦ツール・ド・コルスで自身最高位の総合2位を獲得するなど、高い競争力を維持しての母国凱旋となる。
英AUTOSPORT.comに対し、オジェは「彼らは脅威になりうる」と述べている。
「エルフィン(・エバンス)はツール・ド・コルスで高いパフォーマンスをみせているし、昨年のラリーGBもまずまずの結果を残している。母国イベントで、いつも以上に気合が入っているだろうから警戒すべきドライバーになりそうだ」
「クリス(・ミーク)は知っての通り、どんなラリーでも速さをみせるドライバーだよ」
オジェは特定のドライバーがアドバンテージを得ることがないよう、レッキ走行のレギュレーションが変更された点をあげ、以前のように英国人ドライバーが有利な状況にはならないと考えているとも語った。
「ラリーGBでレッキ走行が実施されなかった時は、イギリス出身のドライバーに大きなアドバンテージがあった。もう、同じようなシチュエーションにはならないだろう。全員が同じルールの下で戦っているし、コースを走るのは、どのドライバーも年に1回だけだからね」
「ただ観客はエルフィンとクリスに、より大きな声援を送るだろう。ファンの応援は彼らを後押しするのは間違いないだろうね」
一方、エバンスとミークの両ドライバーはオジェがコースに1番手で出走することがアドバンテージになっていると指摘。自身の優勝にはやや消極的な態度を示している。
「たとえ3番手で出走しても、かなり厳しい戦いを強いられるだろう」とミーク。
「ウェールズ(ラリーGB)では1番に出走することが最も重要なんだ。出走が遅れるほど、コースが泥だらけになってしまうんだ」
「ただオジェは今シーズン、常に1番手で走りコースの“掃除役”を務めてきた。だから、今回だけいいポジションだと言って攻めることはできないよ」
ラリーGB3連覇がかかるオジェは、回を重ねるごとにラリーGBへの想いが変化していると語り、勝利するには路面コンディションの微妙な変化を掴むことが重要であるとコメントしている。
「(2008年に)初めてラリーGBを走った際、総合首位に立つことができたのは奇跡に近かった。ラリーGBは、あの時から変わらず難しいコンディションのイベントだよ」
「刻一刻と変化していくから、グリップレベルを読む力が求められるラリーなんだ。森のなかを走っていても、木の影になっている部分と陽が当たっている部分とでさえ、グリップに大きな違いがあるんだ。ただ、ラリー全体としては滑りやすい路面コンディションなのは変わらない」
「とてもハードなラリーだから、以前はあまり好きじゃなかった。ただ、過去2年間勝利できたことで、ラリーGBを好きになってきているよ」