新入社員が真っ先に教わることの一つに「報告・連絡・相談」がある。「ほうれんそう」という語呂のよさもあり、組織で働くサラリーマンが心得ておくべき事柄として耳にしたことがある人も多いだろう。
しかし部下がそれに忠実に従ったとしても、上司が適切にフィードバックをしなければ何の意味もない。11月10日には「『ホウレンソウ』を徹底しろと言われてやってたら」というスレッドが2ちゃんねるに立ったが、スレ主は上司の反応のなさに困り果てている。
「報告しろ」と言ったのに「暇があったら次の仕事やれ」とは
この上司は、スレ主が仕事で報告を行うと「いちいち報告する暇があったらさっさと次の仕事やれ」と文句を言い、連絡事項を知らせても目を合わせずに無言で聞くだけ。困ったことがあって相談をしても「自分で判断しろ」と返すのだという。
スレ主が自分で判断した結果、ミスが生じてしまうこともあるが、それを知った上司は腹を立て、長々と説教をするので仕事が遅れてしまう。
「どうしろっつーのよもう」
説教をするくらいなら、相談した時点できちんと指示やアドバイスをして欲しい、というのがスレ主の不満だろう。失敗の原因をすべてスレ主に負わせるかのような姿勢にも、憤りを感じているに違いない。
考えてみればこの上司は、部下に「ほうれんそう」を求めながら、自分では何のフィードバックを行っていない。自主性に任せているといえば聞こえはいいが、放置しながら事後のダメ出しをしているだけに見える。
本来の上司は部下に指示を与え、うまくいかなければその責任の一端を負うもの。それができなければ何もしていないのと同じだし、特別なマネジメントスキルも必要ない。部下より高い給与をもらう合理性もないだろう。
「あなたのレベルアップを望んだ言葉」と擁護する声もあるが
このスレ主と同様の経験をした人は、少なくないようだ。ネットユーザーからは「これはクソ上司あるある」という声もあがっている。その一方で「理不尽なようでも理不尽ではないと思う」と上司を擁護する書き込みもある。
「報連相は基本中の基本。しかしやみくもにあれもこれもしていたんでは、業務に支障が出る。自分で判断しろとは取捨選択しろと言うことでは。あなたのレベルアップを望んだ言葉だと思う」
しかし、本当に業務に支障が出るほどの頻度で「ほうれんそう」があったのだろうか。何となく説得されそうな意見であるが、判断の基準がなければレベルアップもしようがない。上司がサボタージュするための言い訳のようにも聞こえる。
そういった上司に対しては「基本的に(業務が)順調ならホウレンソウはそんなに必要ないんじゃ? ヤバそうな兆候が見えたら連絡したらいんじゃないかな」とアドバイスする人もいた。しかし、そう考えて控えていると、なぜ報連相しないんだとキレ始める「理不尽上司」もいるそうだ。
ホウレンソウは「責任の所在を上司に移すためにするもの」
また、上司への相談は「どうしたらいいですか?」ではなく、「A案B案あって自分はこう考えてA案にしましたがどうでしょうか?」くらい考えてから尋ねなければ嫌がられる、という指摘もあがった。
確かにそこまで考えれば上司はラクだが、それでは部下の負担ばかりが重過ぎる気もする。ついには開き直って、
「ホウレンソウは責任の所在を自分から上司に移すためにするもんだろ。怒られても聞き流しゃいいんだから。気楽にやんないとサラリーマンなんてやってられない」
という人もいた。確かに「自分で判断しろというのは、あなたの指示だ」という反論も成り立つはず。なかなか本質を突いた言葉ではないだろうか。
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