フェラーリのキミ・ライコネンは、昨年から今年にかけてチームが大きく変化を遂げて前進していることを感じている。
かつて2007年から2009年まで、同チームに在籍していたライコネン。その後はF1を離れてラリーへ転向したが、2012年にロータスからF1に復帰。2014年から再び跳ね馬へと帰ってきた。昨年マシンの戦闘力は十分ではなく、一度も表彰台に上がれず終わった。
しかし、冬の間に開発陣が奮起。特にパワーユニットの改善に力が入れられたのと同時にチーム内の雰囲気も良くなり、それが今年メルセデスに最も近いライバルへと成長することができたきっかけだったという。ライコネンは英国オートスポーツのインタビューに対して「2014年と比べて、チームは大きく変わった」と語っている。
「もちろん人の入れ替わりもあったけど、それがいまの良い雰囲気を作る大きなきっかけになった。また以前のような良いチームになったし、チーム全体がどういう状況にあって、どこに進んでいるのかがわかっている。僕たちは正しい方向に進んでいて、短期間で感謝しあえるチームになったと思う。常に前進を求め、チャンピオンシップを戦い、レースでの勝利を目指している。みんなが共通認識を持って、ここで働いている」
「だから以前と比べるとハッピーな気分だ。でも本当に臨むポジションは、ここではない。来年は、それ(チャンピオン)を何としても叶えたいね」
今シーズンの前半戦から中盤戦にかけてはメルセデスを脅かすほどの存在だったフェラーリ。しかし現在は低迷しており、直近の2レースでわずか15ポイントしか獲得できていない。流れが悪くなりはじめていることは否めないが、それでもライコネンはポジティブに状況を考えている。
「確かに、ここ数戦の結果は非常に悪いものだった。だけど、チームの全員が何が優れていて何が劣っているのかをよく理解している。これからは、みんながミスなくより良い仕事をやっていかないといけない。僕たちはチームとして正しい方向に進み、素晴らしい仕事をしてきた。現在うまくいっていないからといって方針を変えるつもりはないし、変えるべきことでもない」
「このままシーズンオフを過ごすことができれば、来年に向けての準備にもつながる。だから僕たちができる最大限の仕事をきっちりこなすだけだよ」
今年は二度の表彰台を獲得しているものの、不運なミスや多くのトラブルに見舞われているライコネン。彼が再びフェラーリで勝利を挙げる日は、そう遠くはないだろうか。