フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のヨースト・カピートは2016年シーズンも3台のポロR WRCで世界ラリー選手権(WRC)に参戦すると述べ、同社の排ガス規制不正問題の影響から、参戦台数を削減するのではという噂を否定した。
フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン搭載車が排ガス規制を不正にすり抜けていた問題を受け、、ドライバー、マニュファクチャラーのダブルタイトルを3年連続で獲得するなど、大きな成功を収めているWRCプログラムも予算が削減されるのではないかという報道がなされていた。しかし、カピートはこの噂を否定。来季も3台体制でWRCに挑むつもりであることを明らかにした。
「コストを削減する必要に迫られても台数を減らすのではなく、ほかの部分で節約するつもりだ」とカピート。
「3台目のエントリーは選手権争いにおいて重要な役割を担っている。それに、すでにドライバー全員とも契約を結んでいるんだよ」
「もちろん、明日にも状況が変わる可能性はある。しかし、現段階では我々が有している競争力を減らさなければならない理由はひとつも見当たらないね」
不正問題により、フォルクスワーゲンはコスト削減を迫られているものの、カピートはモータースポーツ部門にとってコストの問題は以前からあるものだとも述べている。
「少しも資金を無駄にしないようにと議論がなされている。もちろん我々は資金を無駄になどしていないがね」
「我々は以前から限られた予算のなかで活動している。だから、どこに資金を割くべきかは心得ているよ」
来シーズンも3台体制を維持する意向を示したカピートだが、以前から希望していた4台目のポロR WRC投入は先送りせざるを得ないともコメントしている。カピートはシュコダ・モータースポーツからWRC2に参戦しているエスペッカ・ラッピに興味があると以前から明らかにしていた。
「ラッピにはトップクラスで戦うためのスキルや経験があると思っている。しかし、来年、新たなドライバーやマシンを増やすチャンスはなくなってしまったねだが、今後も彼の活躍に注視していくつもりだし、今後契約を結びたいドライバーのひとりであることに変わりはないよ」
また、カピートはチームが将来的にセミワークスマシンの投入やプライベーターにポロRを供給することもないとつけ加えた。
「我々はファクトリーチームだ。商売をするためではなく、勝つためにここにいる」