マクラーレンが、育成ドライバーで2015年のGP2チャンピオン、ストフェル・バンドーンを来年同チームのテスト&リザーブドライバーとして起用することを明らかにした。さらにバンドーンは、最近報道されていたとおり今月末に行われるスーパーフォーミュラのテストに参加する予定であることを認めた。
ベルギー出身23歳のバンドーンは、マクラーレンの若手育成プログラムのメンバーで、今年は同チームのテスト&開発ドライバーを務めつつ、GP2にARTから参戦、圧倒的強さで2ラウンドを残しロシア戦でタイトルを獲得した。
当然2016年のF1昇格を望んでいたバンドーンだが、マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンを引き続きレースドライバーとして走らせることを決めており、他チームに関しても現在残っているレースシートはマノー・マルシャの2席のみという状況だ。
バントーンは以前から、来年F1レースシートを獲得できないのであれば、マクラーレンのリザーブドライバーを務める見込みだと述べていた。
10日、マクラーレンはバンドーンの独占インタビューを発表、その中でバンドーンを「2016年のマクラーレンのテスト&リザーブドライバー」と呼び、バンドーンがケビン・マグヌッセンの後任となることを認めた。
バンドーンは以前から、来年マクラーレンのリザーブを務める場合、同時に何らかのレース活動も行って、将来のF1昇格に備えたいと述べていた。その選択肢のひとつがスーパーフォーミュラであることも本人は認めており、先週の時点で、11月25、26日に鈴鹿で行われるエンジンメーカーテストに参加する見通しになったと伝えられていた。
マクラーレンのインタビューの中で、バンドーンはこのテストに参加する予定であることを認めた。
「来年は絶対どこかでレースをしたい。まだ何をするかは分からないけど。でもいくつか選択肢はあって、交渉しているところだ」とバンドーン。
「いずれにしてもマクラーレンのテスト&リザーブドライバーを務める。いいポジションだよ。でも言うまでもなく来年も何らかのレースをしたい。走りの鋭さ、体力、集中力を維持するためだ。鋭さ、体力、集中力を保てれば、F1でのチャンスに100パーセントの体勢で備えられる」
「いくつか可能性がある。近いうちに日本でスーパーフォーミュラのテストをする予定だ」
「マクラーレンのテスト&リザーブドライバーとしてF1レースに毎回行くから、F1のパドックにいることになるし、いい状況だと思うよ」
スーパーフォーミュラのマシンに乗ることは、F1へのいい備えになるとバンドーンは考えている。F1は2017年に向けて今より5、6秒ラップタイムを上げるための計画を進めている。
「スーパーフォーミュラのマシンは優れている。少なくともGP2マシンと同じかそれ以上に速いんだ。スーパーフォーミュラは選択肢のひとつだよ。ただそこで走るかどうかはまだ決まっていない」
スーパーフォーミュラのようなダウンフォースが高いマシンを経験すれば2017年の新たなF1マシンにうまく備えることができると思うかという問いに対し、「それが可能だろうね」とバンドーンは答えた。
「スーパーフォーミュラのマシンはすごく速い。馬力はそれほどでもないけれど、コーナリングスピードはすごくいいんだ。コーナーでは今のF1マシンより速いぐらいだよ」
「2017年の規則変更のためのテストが来年どの程度行われるのか、まだ分からない。規則によって決まるんだ。ここ数年は若いドライバーがF1マシンに乗る機会を得るのがとても難しくなっている。来年シーズン中のテストが増えるといいんだけどね」
F1最終戦アブダビGPを訪れる関係で、バンドーンのテスト参加は初日25日のみになる可能性が高いと考えられている。