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5SOS、Union J、JTR……ネクスト「ワン・ダイレクション」の座に着くのはどのグループ?

2015年11月11日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

JTR『Centre Of Everywhere』

 約半年前の2015年3月25日、全世界で大人気のボーイズ・グループ、ワン・ダイレクションから、ゼイン・マリクが脱退し、翌日にはソロデビュー。ファンに大きな波紋を呼んだことは記憶に新しい。


 もちろん4人体制の1Dが引き続き活躍することにも期待したいが、米ビルボードは早くも『ネクスト「ワン・ダイレクション」はどのグループ?』という記事を掲載するなど、各メディアが次世代を担う世界的ボーイズ・グループ探しへ躍起になっていることもまた事実だ。


 そこで今回は、日本のファンにこれから熱い支持を受けるであろうボーイズ・グループたちを、“ネクスト「ワン・ダイレクション」”として、その特徴とともに紹介したい。


 まずはワン・ダイレクションの『Take Me Home Tour』(2013年)『Where We Are Tour』(2014年)に出演した、オーストラリア発の4人組・5 Seconds of Summer(以下、5SOS)。彼らはボーイズ・グループというよりBlink-182やMcflyをリスペクトする、エモーショナルなロックバンド的位置づけなのだが、その容姿や経歴から、ファンの間では“ネクスト1D”としてよく名前の挙がる一組であることは間違いない。ただ、本人たちは「彼ら(1D)のしていることは素晴らしいけど、僕たちは自分の好きなことをやるんだ」と明言しているため、今後の活動路線が変化していく恐れもある、ということも記しておく。


 続いて、1Dと同じ出自を持つアーティストとして、『X Factor』出身の4人組・Union Jも紹介しておきたい。こちらは少し歌に比重を置いた、シンガー4人によって構成されているグループで、楽曲もダンサブルなものや切なげなバラードなど、1Dよりもダンスホール寄りの印象。しかしMVは一年前から全く新作が上がっておらず、本国でのツアーなどで活動は確認できるものの、ブレイクの萌芽が見えた2年前よりは、多少ペースダウンしているようにも見える。


・スウェーデン編


 “ネクスト1D”を調べているうちに、該当するグループがイギリス本国よりも北欧、特にスウェーデン周りに多いことがわかった。ここからはスウェーデン出身のアーティストを数組ピックアップしたい。


 ここ最近日本で活発な動きを見せているのは、“スウェーデンのイケメン三兄弟”というキャッチフレーズが定着しつつあるJTR。彼らは先述の『X Factor』にも出場しているほか、2015年にはヨーロッパ最大の音楽コンテスト『Eurovision Song Contest』のスウェーデン代表を決める『Melodifestivalen』で決勝進出。『Eurovision』で優勝したMansに惜しくも敗れてしまうが、8月に日本でリリースした『Oh My My』が、カーディガンズに代表されるスウェディッシュでポップな音楽性と、3兄弟でいずれもイケメンという容姿という要素から、ボーイズ・グループファンに厚い支持を受け、来日プロモーションには多くの観客が訪れたという。なお、この記事で紹介するグループの中では、とりわけアジア圏の人気が高いことも特徴的だ。


 また、JTRはSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」をカバーしてYouTubeに投稿するなど、日本向けの施策も数多く行っており、これもまた日本人気の高い理由なのではと推察する。


 続けてスウェーデン勢で紹介したいのは、2013年にJustin Bieberの『Believe Tour』において、同国公演でオープニングアクトを務めた4人組・The Fooo Conspiracy。いずれも20歳に満たないメンバーが生み出す踊れるポップナンバーは、スウェーデン本国での人気が高く、数多くの音楽的な賞を獲得している。


 また、昨今のEDM人気を受けて、その辺りにもしっかりフィットする楽曲を作り、Justin Bieberファンにもうまく受け入れられるようにしたというディレクションの上手さにも感心せざるを得ない。


 最後はカバー曲でその人気を着々と伸ばしつつある4人組・Dot SE。彼らはMiley CyrusやOne Direction、5SOSなど、他アーティストのカバーを継続的に投稿し、YouTubeを中心にカバーアーティストのファンなどに発見され、若手ながらスウェーデンのボーイズ・グループでは上位に食い込む再生数を記録している。それほどオリジナルのほうは伸びていないが、これからじっくりファンの母数を増やし、新作の発売を機に日本へ上陸する可能性にも期待したい。


 以上、数あるボーイズ・グループの中から数組を紹介してきたが、音楽性や日本のファンの動きを見るに、北欧系のグループがこれからマーケットを作っていくのかもしれないと感じた。そうなると現状“日本におけるネクスト1D”に一番近いのはJTRということになるのだろうか。


 今後、北欧系のグループが日本でどのように浸透していくかは、JTRが11月25日にリリースする新作『Centre Of Everywhere』の経過を見守りつつ、引き続き“ネクスト1D”たちの動向を追いたい。(中村拓海)