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ロータス、ルノーとの交渉決裂に備え2種類のマシンを用意

2015年11月10日 17:20  AUTOSPORT web

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2015年メキシコGP パルトール・マルドナド(ロータス・メルセデス)
ロータスF1チームのCEOマシュー・カーターが、ルノーへのチーム売却契約がまとまると強く確信しているものの、交渉が決裂した場合に備え、来季に向けてメルセデスのパワーユニット用のマシンも準備していると語った。

 レッドブル・レーシングと共に4年連続でドライバーズ&コンストラクターズタイトルを獲得したルノーだが、両者の関係は破綻。9月にルノー社の会長カルロス・ゴーンはレッドブルとの契約は延長せず、「撤退するか自身のチームを運営するかどちらかだ」と明言した。

 ルノーは来季からワークスチームとしてF1に参戦するためロータスF1チームの買収に動き、基本合意書をとりかわしたことを9月末に発表した。しかしまだ両者の契約は正式には締結されていない。

 最近では、すでにルノーのスタッフがロータスのエンストンのファクトリーで作業をスタートしているといわれ、アブダビGPで契約が正式発表の運びになるのではないかとの報道もなされている。そんななか、9日にF1公式サイトが発表したインタビューにおいて、ロータスCEOのカーターが現状について語り、契約はまだ結ばれていないと認めた。

「ルノーは基本合意書を公表した。つまり水面下でルノーとロータスの上層部が契約を成立させるために懸命に動いているということだ」とカーター。

「事態は進行しているが、こういう問題には時間がかかる。契約が成立すると確信しているが、まとめるには時間が必要だ」

「ビジネスの世界では何が起きてもおかしくないし、書面に署名するまでは契約が締結されたとはいえない。だが私としては(契約がまとまると)強く確信している」


 来年のマシンを準備する上でエンジンを決めなければならない最終期限はいつなのかと聞かれ、カーターは2種類のマシンデザインを準備していると答えた。

「来年のエンジンに関してはふたつの選択肢がある。メルセデスを積むかルノーを積むかだ。来年のマシンとして2種類のデザインを用意している。ふたつの選択肢を念頭に置いて推し進めている」

「2016年シーズンにメルセデスエンジンを搭載するという道に進む可能性は低いと考えている。そうなる(メルセデスを搭載する)ときは、ルノーの契約がまとまらなかったということを意味する。しかし私は来年はルノーエンジンで走ることになる可能性が高いと推測している」


 ルノーとの契約内容、新チームの体制についてカーターは次のように説明している。
「彼らが支配的利権を持つことになる。そのことは基本合意書にも記されている。彼らはマニュファクチャラーチームとしてチームを運営する。フェラーリやメルセデスと同じように」

「体制がどうなるのかは分からない。契約が成立するまでは細かいことは決まらないだろう。チームを買えば、彼らはエンストンに移ってくる。ファクトリーも彼らのものになるからだ。エンストンの施設と運営、そこのマンパワー、レースチームを彼らは買うことになる。だが上層部の体制については、正直な話、私は知らない」

 ルノーは競争力が改善するまで待って、1、2年後に「ルノー」に改称するのではないかとの推測も持ち上がっているが、カーターはそれを否定、ルノーに買収され次第、ロータスの名はF1から消えると述べた。

 ロータスの名は消滅するのかと聞かれ「ルノーとの契約がまとまるなら、そうなる」とカーターは答えた。
「チームはロータスという名称ではなくなるだろう。その名はF1から消える。今は我々がロータスという名称を使用する権利を有しているが、そのライセンスも打ち切られる。使いたい人間がいれば権利を取得できるかもしれないよ!」