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“ショートカット女子”には物語がある? 少女写真家とアイドルがその魅力を探る

2015年11月08日 15:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真集『0410(ショート)』発売記念イベントの様子。(写真=フチザキ)

 少女写真家・飯田えりか、ショートカット推進委員会委員長を務める佐々木花の2人が中心に制作した写真集『0410(ショート)』の発売記念イベントが、10月24日にdues新宿にて開催された。


 同イベントは、ディスクユニオンが運営する書店・ブックユニオンによるライブ・トークイベントシリーズ『ブクドル・ユニオン』の第2回。ディレクターを務めるアイドル専門ライターの岡島紳士氏が、アイドルや音楽、本と関連した企画を展開していくもので、前回はマンガ『ミリオンドール』を題材に、作者の藍とMaison book girl、篠崎こころが出演。第2回は、ショートカット推進委員会写真集『0410』を題材に、少女写真家・飯田えりかと写真集に出演している「ミスiD2015 山戸結希監督賞」を獲得した堀越千史、ジュネス☆プリンセスの中嶋春陽、神宿の小山ひながトークゲストとして登壇した。


 冒頭、飯田が『0410』を出版する以前、クラウドファンディングのサイト「キャンプファイア」にて資金を集め、1st写真集『LIFE is SHORT』を制作したこと、その写真集を作るために発足したのがショートカット推進委員会であることを説明。岡島がなぜショートカットにこだわるのかについて質問すると、飯田は「もともとロング主義な子が多かったと思うんですけど、徐々にショートカットが増えてきてるなと。代表の佐々木が根っからのショートカット好きで、私もそこに賛同した形です」と委員会発足の経緯を語った。


 今回イベントに登壇した堀越、小山、中嶋がモデルとして選ばれたわけについて飯田は「写真集とは別に、『ショートカット推進委員会』の公認モデルたちの画像をホームページのギャラリーにアップしていたんですけど、そのメインモデルを堀越千史さんに頼んでいて。堀越さんはミスiDのオーディションで知り合って、どこにも所属していないフリーだったので私から直接お声がけをしました」と堀越との出会いを話し、続けて中嶋、小山については「CHEERZというアイドル応援アプリが写真集とコラボしてくださって、そこのページでショートカットタグを付けて頑張ってくれた春陽ちゃんと小山さんに是非という形でお声がけさせて頂きました」と2人との出会いについても述べた。


 また、普段どうやってモデルを探しているのかを飯田は、「ほぼTwitterで探してます。私、Twitterは女の子探すためにしか使ってないので」と答え、それに岡島が「会場のお客さんもみんなそうですから大丈夫ですよ」とコメントし、会場が笑いに包まれる一幕も。実際の撮影時のエピソードとして、小山は「撮影場所がアンティーク家具のある場所での撮影だったで、すごい楽しかったです。また撮ってください」と飯田の肩をさすりながら懇願。中嶋は、「当日は中のスタジオだけで撮る予定だったんですけど、晴れていたので『外でも撮っちゃおうか!』っていうことで撮ってもらってました」と急遽予定を変更して撮影したエピソードを語った。


 続けて、堀越に対して岡島が撮影時の様子について問いかけると、堀越は「『どんな撮影がいいか』ってことを撮影の前にアンケートで聞かれて、それに『猫と撮りたいです』って書いたので猫と撮ることになりました」と撮影までの経緯を語った。岡島は、写真集にはモデル1人ひとりにストーリーと設定があり、読者が写真部の男子高校生であるということを説明。飯田は「(堀越の場合)その場で猫と仕草を合わせて撮ったり、猫と通じ合ってる女の子みたいな感じで撮りたいなと思ったので。でも、動物との撮影はコントロールが難しく、ベッドの中に入り込んでしまって1時間ぐらい出てこないということもありました。女の子と猫って最強にずるい組み合わせです」と撮影時の様子を説明した。


 トーク終盤、『0410』がストーリー性のある写真集であることについて飯田は、「ショートカット推進委員会が『ショートカットには物語がある』と掲げていて。勇気を出して髪を切る人がいたり、ショートを維持しているのにこだわりがある人だったり。今回は、物語性のあるフォトストーリー的な見せ方でショートカット女子を写真集にまとめたくて『この設定だとどうかな』というのを考えながら作っていきました」と話し、続けて「写真部の男子高校生が夏休みのうちに撮り集めたものみたいなのがいいと思い、『その子と関係性のある女の子』を考えながら相関図を書いていって、代表の佐々木と話しながら作っていきました」と写真集の設定を明かした。


 最後に、岡島が飯田にショートの定義を尋ねると「最近はショートが本当に流行っていて、ショートボブが増えてから、大分ショートカットのイメージが変わってきているなと思います。ショートカットは、髪型自体のフォルムが綺麗なのと、顔が隠れない。後は、1人ひとりの個性が強いので、撮る側としても楽しいですね」とショートカットの魅力について語った。


 トーク終了後には、神宿の小山ひなの初のソロライブとジュネス☆プリンセスがパフォーマンスした。小山は、ソロとして緊張の顔を見せながらも、石川ひとみ、松田聖子といった昭和歌謡のカバーを歌唱。ジュネス☆プリンセスは終盤人気曲の「Roll the Dice」「DSK序曲」を披露しイベントは終了した。


 広末涼子や、本田翼、乃木坂46・橋本奈々未、『0410』の表紙を飾りブレイクの兆しを見せる武田玲奈と、いつの時代にもショートカットの象徴と言えるアイドル、女優は必ず存在する。『0410』は、物語のテーマである“ひと夏の記憶”と少女たちの眩しさを感じることが出来る作品であり、ショートカット推進委員会が厳選した“撮りたい”ショートカット女子、次の世代を担う存在に出会える写真集だ。(取材・文=渡辺彰浩)