セバスチャン・ベッテルのフェラーリ1年目は前向きなものだったが、近い将来は「敗者」の汚名を返上するつもりだ。
レッドブルで4度のF1王者に輝いたベッテルは、フェラーリ移籍1年目でも3度の優勝と9回の表彰台を獲得するなど、確かな走りを見せている。
同チームは冬の間にエンジンとシャシーを改良し、2016シーズンにはメルセデスに対してさらなる脅威となることを望んでいる。
劣勢だった今シーズンを「敗者」として楽しめたかどうかという英オートスポーツの質問に対し、ベッテルはその呼び名を気にも留めなかったが、フェラーリがメルセデスと同じレベルにはない事は認めた。
「自分のことを敗者だとは思っていない」とベッテル。
「僕らが優勝候補でないことは分かっているけど、シーズン序盤から中団グループの一員でないことは見せられていたと思う。きちんと準備を整えていれば、表彰台に上がったり優勝できるだけのチャンスには恵まれた。それがこれまで僕らがやってきたことだ」
「全体的に見て今シーズンは、昨年(レッドブルにいた頃)とは大きく異なる。もちろん僕にとっては新しいチームでの、全く新しいシチュエーションだ」
「フェラーリの一員であることは今のところ素晴らしい経験になっているけれど、将来的にどの位置に行きたいかというのも分かっている。だからこれから先やるべき仕事はまだたくさんあるし、『敗者』などと呼ばれずに優勝候補と見なしてもらえたらもっと嬉しい」
ベッテルはアメリカGP終了時点でランキング2位につけ、3度目のタイトルを獲得したルイス・ハミルトンとそのチームメイトであるニコ・ロズベルグの間に割って入った。しかしメキシコGPではクラッシュを喫し、ブラジルGPとアブダビGPの2レースを残した現在は、2位のロズベルグに21ポイントの差をつけられている。
「今シーズンは多くの人々に驚きを与え、自分たちの予想も確実に上回ってきた」
「全体的にはここまでとてもポジティブだし、目標は(ランキングの)2位だ。1位は残念ながら手が届かないけれど、2位は3位より間違いなく良いから、そこを目指してみるよ」